ページトップ
  • 昭和37年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第4厚生省|
  • 不当事項|
  • 補助金

国庫補助金等の経理当を得ないもの


(224)−(234) 国庫補助金等の経理当を得ないもの

(一般会計)(組織)厚生本省 (項)伝染病予防費補助 (項)保健衛生諸費 (項)簡易水道等施設費
(項)鉱害復旧事業費 (項)環境衛生対策費 (項)離島振興事業費

 

1 伝染病予防事業に対する国庫補助金等の経理当を得ないもの

(224)−(228) 公衆衛生関係国庫補助金等の経理の実態に関し、昭和38年中、伝染病予防法

 (明治30年法律第36号)に基づく事業を中心として、北海道ほか28都府県についてその精算状況を検査したところ、国庫補助(負担)基本額のうちに補助の対象とならない経費を含めていたため補助金等が過大に交付されていて返納を要するものが東京都ほか5県(注) において6事項1,824,820円あり、そのうち1事項20万円以上のものをあげると次表のとおり5件1,712,349円である。
(注)  次表に掲記した都県のほか神奈川県

(1) 法定伝染病予防費補助金


都名 補助団体 事業
年度
国庫補助基本額 国庫補助金交付済額 国庫補助基本額から控除すべき額 国庫補助金交付済額中返納を要する額 摘要





(224) 東京都 東京都 36 142,212,486 71,106,243 443,118 221,559 併設隔離病舎の患者諸費に計上されている光熱水料等を管理費に重ねて計上していたもの

(2) 防疫業務委託費


県名 補助団体 事業
年度
国庫負担基本額 国庫負担金交付済額 国庫負担基本額から控除すべき額 国庫負担金交付済額中返納を要する額 摘要





(225) 宮城県 宮城県 36 4,291,928 4,291,928 606,754 606,754 防疫業務に従事していない職員の人件費等を含めていたもの
(226) 長野〃 長野〃 3,773,651 3,773,651 310,547 310,547
(227) 広島〃 広島〃 3,412,497 3,462,811 291,351 291,351
(228) 香川〃 香川〃 2,304,244 2,304,244 282,138 282,138



13,782,320 13,832,634 1,490,790 1,490,790

2 簡易水道等施設費補助金等の経理当を得ないもの

(229)−(234) 昭和36、37両年度において市町村が事業主体となって施行した簡易水道施設および下水道終末処理施設に対する国庫補助金の経理に関し、北海道ほか28都府県の工事現場1,002箇所のうち532箇所について検査したところ、工事の施行が不良なため補助の目的を達していないもの、設計が過大となっているものまたは設計に対し工事の出来高が不足しているものがあり、国庫補助金を除外すべきものと判明したもので除外すべき額1工事10万円以上のものが北海道ほか5府県(注) において8工事2,249,321円となっており、このうち国庫補助金を除外すべき額1工事20万円以上のものをあげると次表のとおり6件1,959,616円である。
(注)  次表に掲記した道県のほか大阪府


道県名
 工事名

事業主体

事業
年度

工事費

左に対する国庫補助金

工事費から除外すべき額

左に対する国庫補助金相当額




(229) 北海道

北見市小泉下水道終末処理場新設事業 北見市 37 15,000,000 5,000,000 1,100,000 366,666

沈でん池の壁体コンクリート66立米は配合比1:2:4で施行したものであるが、うち下部18立米は冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったなどのため凍害を受け容易に破砕される状況であり、壁体としての強度が低下している。
(230) 福井県

今立郡池田村東俣新保地区簡易水道新設事業 池田村 36 4,924,000 1,231,000 825,000 206,250

配水池等のコンクリート47立米は配合比1:2:4で施行したこととしているが、実際は配合の悪いもので施行したばかりでなく、つき固めも不十分であったなどのため、コンクリートとしての強度が低下し、容易に破砕される状況である。
(231)

丹生郡織田町簡易水道新設事業 織田町 37 17,136,000 4,284,000 1,935,000 483,750

ろ過池のコンクリート119立米は配合比1:2:4で施行したこととしているが、実際は配合の悪いもので施行したばかりでなく、つき固めも不十分でコンクリートとしての強度が低下し、また、防水モルタルの厚さも不足しているなどのため、すでに側壁から漏水している状況である。
(232) 三重県

尾鷲市九鬼地区簡易水道拡張事業 尾鷲市 35
36
9,678,900 2,419,725 891,800 222,950

計画給水人口を2,200人として国庫補助を受け施行したものであるが、この人口には28、29両年度に国庫補助を受けて施行した給水区域内の人口が含まれていて、適正計画給水人口は1,870人となり、事業費891,800円が設計過大となっている。
(233) 香川県

小豆郡内海町上水道施設災害復旧事業 内海町 37 3,418,000 1,709,000 845,000 422,500

浄水場護岸延長59メートルの復旧にあたり、練石張り274平米は控35センチメートルの雑石を使用し、胴込コンクリート平米当り0.12立米総量32立米を施行したこととしているが、実際は築石の控が不足し、胴込コンクリートは目地程度を施行したにすぎないため練石張りとしての強度が低下し、すでにき裂およびはらみを生じている状況である。
(234) 長崎県

北松浦郡鹿町町神林地区水道施設一般鉱害復旧事業 鹿町町 37 7,332,000 1,957,470 1,030,000 257,500

配水池のコンクリート36立米は配合比1:2:4で施行したこととしているが、実際は配合の悪いもので施行したばかりでなく、つき固めも不十分であったなどのため、コンクリートとしての強度が低下している。また、道路復旧工延長2,865メートルは敷砂利総量229立米を施行したこととしているが、実際はうち2,325メートル分186立米は全く施行していないため工事費409,500円相当額が出来高不足となっている。



57,488,900 16,601,195 6,626,800 1,959,616