ページトップ
  • 昭和37年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第5農林省|
  • 不当事項|
  • 補助金

昭和36年産なたね交付金の経理当を得ないもの


(524) 昭和36年産なたね交付金の経理当を得ないもの

(一般会計) (組織)食糧庁 (項)国産大豆等保護対策費

 食糧庁で、昭和37年度に、全国販売農業協同組合連合会(以下「全販連」という。)に対し、昭和36年産なたね生産者団体等交付金として329,620,419円を、なたねの生産者に交付することとして支出しているが、調査が十分でなかったため交付金のうちに交付の対象としてはならないものを含めていたり、交付金が生産者に交付されていなかったりしているものが5,407,646円ある。

 本件交付金は、大豆の輸入の自由化に伴い、低廉な外国産大豆の輸入が増大することにより、国内産なたねの価格が低落することが見込まれるので、昭和36年産なたね交付金交付要綱に基づき、生産者が農業協同組合を通じ全販連に販売の委託をした36年産なたね91,561,228キログラムについて、生産者の平均手取額が60キログラム当り3,180円となるよう、その販売価格(販売経費を除く。)との差額相当分(216円)を交付金とし、全販連、道府県農業協同組合連合会および農業協同組合を通じ生産者に交付するものである。

 しかして、本院において、本件交付金の交付対象となったなたねを取り扱ったもののうち、北海道ほか19府県の20農業協同組合連合会および北海道上富良野町農業協同組合ほか167組合について調査したところ、前記交付要綱によれば、交付金の交付対象となるのは生産者が農業協同組合を通じ全販連に販売の委託をしたなたねに限られるなどの条件が付されているのに、農業協同組合が買い取ったなたねなど交付の対象としてはならないものを含めていたものが、北海道上富良野町農業協同組合ほか31組合で319,809キログラムに対する交付金1,151,312円あり、また、本件交付金は生産者からの委託数量に応じこれを生産者に交付することになっているのに、農業協同組合が農業協同組合連合会から交付金を受領していながらこれを生産者に交付していないものが、北海道発足農業協同組合ほか20組合で4,256,334円ある。