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  • 昭和37年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第8 郵政省|
  • 不当事項|
  • 物件

印刷費の積算が適切を欠いたため書留郵便物受領証同原符等の購入価額が高価と認められるもの


(548) 印刷費の積算が適切を欠いたため書留郵便物受領証同原符等の購入価額が高価と認められるもの

(郵政事業特別会計) (項)業務費

 大阪郵政局で、昭和37年度中、指名競争契約または指名競争後の随意契約により共成社印刷株式会社ほか2名から書留郵便物受領証同原符小(略号ユ303)180,550冊、郵便送達証同原符特大(略号ユ307の2)16,600冊および書留郵便物配達証同原符小(略号ユ317)396,000冊計593,150冊を総額11,058,057円で購入しているが、印刷費の積算が適切を欠いたため予定価格が過大となり、ひいて購入価額が約130万円高価となっていると認められる。

 本件印刷物は、いずれも郵便物受付等の際使用する複写式のものであるが、その予定価格の積算にあたり、材料費および組版、印刷、製本等の工賃に一般管理費、利益を加算し、それぞれ1冊当り単価をユ303は19円938から18円531、ユ307の2は36円532、ユ317は17円901から17円007としており、このうち印刷費についてみると、ユ303(1冊当り更紙、うす葉紙各100枚とじB7判)およびユ307の2(1冊当り更紙、うす葉紙各100枚とじB6判)をB3取り、ユ317(1冊当り更紙、うす葉紙各50枚とじA6判)をA3取りとし、その印刷工賃は10,000枚以上を同一単金として1枚当り0円30と算定している。

 しかして、本件印刷のように印刷枚数が41万枚から231万枚と多量に上るものについては、印刷枚数がB3またはA3取りの2分の1となるB2(B3の倍判)またはA2(A3の倍判)取りで印刷するのが通例であるから、本件印刷費の算定にあたってもB2またはA2取りとして積算すべきであったと認められ、また、印刷工賃については、印刷枚数が増加しても鉛版の組付け、ためし刷り等の固定的費用は増加しないので1枚当りの経費が逓減するものであることを勘案すれば、本件のように印刷枚数が多い場合の印刷費の算定にあたっては、印刷工賃の逓減を考慮すべきであったと認められる。現に、本省、東京郵政局等における同種印刷物の購入事例をみてもB2またはA2取りとし、かつ、印刷工賃の逓減を考慮して積算している状況である。

 いま、仮にB2またはA2取りにより、かつ、東京郵政局の例にならい印刷工賃の逓減を考慮したとすれば、その印刷工賃単金は0円35または0円33程度となるが、印刷枚数が半減するので印刷費は低価となり、これにより本件予定価格を修正計算すると、1冊当り単価は、ユ303は17円650から16円080、ユ307の2は33円475、ユ317は15円912から14円985、総額は9,747,137円となり、本件購入価額はこれに比べて約130万円高価となっていると認められる。