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  • 昭和37年度|
  • 第2章 国の会計|
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労働者災害補償保険事業の運営が適切でなく保険料等の徴収不足をきたしたもの


(555) 労働者災害補償保険事業の運営が適切でなく保険料等の徴収不足をきたしたもの

(労働者災害補償保険特別会計) (款)保険収入 (項)保険料収入
(款)雑収入 (項)雑収入

 労働者災害補償保険の強制適用事業については、その事業開始の日に保険関係が成立するが、土木建築等有期事業を行なう事業主は、その保険料について、原則として事業開始の日前10日までに当該事業において支払う賃金総額の見込額を基本にして算出した概算保険料の報告書を提出し、開始の日から20日以内に概算保険料を納付するものとされており、また、事業が終了したときは、終了の日から15日以内に確定保険料の報告書を提出し、概算保険料納付額との差額を精算するものとされているが、事業主がこれらの報告をしないときは、当局において保険料を調査決定することに定められている。

 昭和38年中、全国の46労働基準局につき、国および地方公共団体等が36、37両年度中に発注した61,801工事について調査したところ、北海道ほか44労働基準局において、2,301工事請負額約79億9100万円のものはすでに工事が終了しているものであるのにその事実をは握していなかったので注意したところ、保険料および追徴金49,261,965円の徴収決定を了した。これを労働基準局ごとに集計すると次表のとおりである。
 これらの事業については、事業主が前記の報告を怠った場合当局においてこれを発見することは困難な事情もあるが、事業主に対する指導監督の徹底を期し、また、国または地方公共団体等の発注にかかる事業については、当該機関に対し資料の提出を求めてはいるが十分に収集されていない実情であるから、なお一層の努力の要があると認められる。

労働者災害補償保険事業の運営が適切でなく保険料等の徴収不足をきたしたものの図1