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  • 昭和37年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
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  • 工事

橋りょう塗装面積を過大に算定したため工事費が高価となったもの


(571)−(572) 橋りょう塗装面積を過大に算定したため工事費が高価となったもの

 (道路整備特別会計) (項)道路事業費

 関東地方建設局で、橋りょう塗装工事の施行にあたり、塗替面積を橋りょうのしゅん功図面または実測の結果による図面により算定すべきところ、これを行なわなかったため塗装面積の算定が過大となり、工事費が高価となっているものが次のとおりある。

(571)  関東地方建設局で、昭和37年11月、指名競争契約により橋梁塗装株式会社に6号国道新四ッ木橋および四ッ木小橋橋梁塗装工事を22,100,000円で請け負わせ施行しているが、塗装面積を過大に算定したため工事費が約745万円高価となっている。
 本件工事は、1級国道6号線新四ッ木橋および四ッ木小橋延長507メートル、幅員17メートルから19メートルを塗り替える工事で、設計書によると塗装面積54,500平米をさび落し清掃を行ないペイントで3回塗装することとしている。しかして、上記面積は東京都保管の鋼橋塗装台帳記載の面積をそのまま計上したもので、その算出根拠が明確でなく、また、この面積は本橋りょうの鋼材重量3,466トンから換算すると鋼材1トン当り15.7平米となり、道路技術研究会の作成した資料等に比べて過大となっているので、面積を本橋りょうのしゅん功図面により計算させたところ35,400平米(トン当り10.2平米)にすぎず、これにより工事費を再計算すれば14,650,000円となり、本件工事費はこれに比べて約745万円高価となっている。

(572)  関東地方建設局で、昭和37年11月、指名競争契約により福昌塗装工業株式会社に15号線六郷橋塗装工事を13,950,000円で請け負わせ施行しているが、塗装面積を過大に算定したため工事費が約420万円高価となっている。
 本件工事は、1級国道15号線六郷橋延長446メートル、幅員16メートルを塗り替える工事で、設計書によると塗装面積33,000平米をさび落し清掃を行ないペイントで3回塗装することとしている。しかして、上記面積は橋梁塗装株式会社の作成した資料により、本橋りょうの鋼材重量2,047トンから換算推定したもので、その資料は数橋程度の実例を基礎として算出しているにすぎず、この面積は鋼材1トン当り16.1平米となり、道路技術研究会の作成した資料等に比べて過大となっているので、面積を実測させたところ22,670平米(トン当り11平米)にすぎず、これにより工事費を再計算すれば9,745,000円となり、本件工事費はこれに比べて約420万円高価となっている。