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  • 昭和37年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第2 日本国有鉄道|
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  • 工事

道床砕石の運搬費の積算が適切でなかったため工事費が高価と認められるもの


(639) 道床砕石の運搬費の積算が適切でなかったため工事費が高価と認められるもの

 (工事勘定) (項)東海道幹線増設費

 日本国有鉄道東京幹線工事局で、昭和37年5月、随意契約により株式会社地崎組ほか2会社に東海道幹線平塚附近(49 K810 M〜54 K144 M)下撤道床砕石運搬敷均し工事ほか2工事を総額65,040,474円(当初契約額63,507,760円)で請け負わせ施行しているが、道床砕石の運搬費の積算が適切でなかったため予定価格が過大となり、工事費が約750万円高価となっていると認められる。

 本件工事は、相模線倉見駅構内ほか5箇所に集積された道床砕石51,778立米を、前記3会社との別途契約により施行した東海道幹線モデル線のうち約17.5キロメートルの区間の路盤上に運搬して敷きならす工事で、その予定価格の算出についてみると、運搬、積込みおよび敷きならしの立米当り単価を880円から1,270円としているものであるが、そのうち運搬費についてはいずれも貨物自動車運送事業運賃料金のうち6トン積みダンプトラックの車扱専属制運賃率を採用して算定して立米当り運搬費は345円から1,088円としている。

 しかしながら、本件工事のように路盤建設と関連してこの種道床砕石等の運搬を建設業者に請け負わせる場合に、上記運賃料金を採用するのは適当でなく、通常は自家用トラックを使用することとして運搬費を積算しているもので、現に、他の幹線工事局においてはいずれもこの方法によって積算している実情である。

 いま、仮に自家用トラックにより運搬するものとして本件工事費を計算すると、立米当り運搬費は257円から755円で、これに積込費および敷きならし費等を加算すると立米当り836円から1,043円総額57,518,064円となり、本件工事費はこれに比べて約750万円高価となっていると認められる。