ページトップ
  • 昭和37年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第2 日本国有鉄道|
  • 不当事項|
  • 工事

乗降場舗装工費等の積算が適切でなかったため工事費が高価と認められるもの


(640) 乗降場舗装工費等の積算が適切でなかったため工事費が高価と認められるもの

(工事勘定) (項)諸設備費

 日本国有鉄道東京工事局で、昭和37年12月、指名競争契約により東鉄工業株式会社に千葉地区改良その52千葉駅第1〜第4乗降場舗装その他工事を16,650,000円(最終契約額15,555,500円)で請け負わせ施行しているが、アスファルト舗装工費等の積算が適切でなかったため工事費約330万円が高価となっていると認められ、このうち約100万円については38年3月設計変更のうえ減額しているが、なお最終契約額において約210万円が高価となっていると認められる。
 本件工事は、千葉駅の移転改良に伴い乗降場等の舗装等を施行するものであるが、予定価格の積算についてみると、

(ア) 乗降場6,733平米はトペカ式アスファルト舗装を厚さ30ミリメートルで施行するものとし、その材料費は、100平米当りアスファルト1,640キログラム、石粉640キログラム、砂3.98立米、砕石1.36立米を要するものとして3,106,606円を積算しているが、契約書によれば本件舗装は東京鉄道管理局の仕様書により施行することとしており、この仕様書で定めている標準配合率からみると100平米当り所要材料はアスファルト540キログラム、石粉608キログラム、砂2.92立米、砕石1立米程度とすれば足り、他局の積算例もおおむねこの程度となっており、これに比べて上記の積算は著しく過大となっていると認められる。
 いま、仮にこれにより舗装材料費を計算すると1,494,266円となり、本件積算額はこれに比べて1,612,340円過大となっていると認められる。
 なお、当局は38年3月100平米当りアスファルト所要量を690キログラムとして修正計算するなどして1,076,440円を設計変更のうえ減額した。

(イ) 舗装の労務費は、舗装歩掛りを100平米(3立米)当り舗設12人、運搬12人として1,696,800円を積算しているが、舗設は他局の積算例等からみても100平米当り8.5人程度、また、運搬はリヤカーを使用して平均180メートル運搬するものであるから100平米当り2.2人とすれば足りるものと認められる。
 いま、仮にこれにより舗装労務費を計算すると803,448円となり、本件積算額はこれに比べて893,352円過大となっていると認められる。

(ウ) 乗降場笠石1,875メートル(うち第4番乗降場460.5メートル)のすえ付け労務費は、すえ付け歩掛りを平米当りコンクリートブロック工0.5人(メートル当り0.19人)、同手元1人(メートル当り0.38人)として1,233,432円を積算しているが、他工事局の積算例からみてもメートル当り歩掛りはコンクリートブロック工0.03人、同手元0.06人程度で足り、第4番乗降場については列車間合いで作業しなければならないものであることを考慮し日本国有鉄道の基準によりこれに割増し50%を見込むこととすれば足りるものと認められる。
 いま、仮にこれにより笠石すえ付け労務費を計算すると244,440円となり、本件積算額はこれに比べて988,992円過大となっていると認められる。

 以上各項により、本件当初工事費を再計算すると13,275,876円となり、当初契約額はこれに比べて3,374,124円過大となるが、前記のとおり1,076,440円を設計変更のうえ減額したことなどにより最終契約額は15,555,500円となっているので、これを上記各項により修正計算すると13,406,101円となり、約210万円が、高価となっていると認められる。