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  • 昭和37年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第3日本電信電話公社|
  • 不当事項|
  • 物件

ステンレスバンド等の購入にあたり仕様の検討が不十分であったなどのため購入価額が高価と認められるもの


(651) ステンレスバンド等の購入にあたり仕様の検討が不十分であったなどのため購入価額が高価と認められるもの

 日本電信電話公社で、昭和37年3月から11月までの間に、随意契約により日本ポールバンド工業協同組合からステンレスバンド277,620メートルを単価55円20価額15,324,624円およびバンド用締付金具306,580個を単価56円70価額17,383,086円総額32,707,710円で購入しているが、仕様の検討、製作の実情および価格の調査検討が不十分であったなどのため予定価格が過大となり、購入価額が約900万円高価となっていると認められる。
 本件ステンレスバンドおよびバンド用締付金具は、配線材料等をコンクリート柱に取り付けるために使用するものであるが、その予定価格の積算についてみると、

(ア) ステンレスバンドの単価算定にあたり、厚さ0.4ミリメートル、幅20ミリメートルステンレス鋼帯は、仕様書で日本工業規格で表示している硬度と多少異なった硬度を指定し、その価格は、一般的な商社販売価格によるのは適当でないとして、専門業者または市場価格等について具体的な調査も行なわず、前記日本ポールバンド工業協同組合員で本件ステンレスバンド等の納入業者である須田製作所から聴取した価格によりキログラム当り780円とし、これに加工費等を加えてメートル当り55円28としているが、本品は性能および取付作業上からみて、日本工業規格で表示している硬度で十分足りるものであり、その一般的な取引価格はキログラム当り530円程度であるのに、仕様の検討を十分行なうことなく硬度を指定し、キログラム当り780円として積算したため著しく高価となったものである。
 いま、ステンレス鋼帯の価格をキログラム当り530円とし、その他については当局の積算をそのまま採用して計算すると、本件ステンレスバンドの価格はメートル当り39円24となる。

(イ) バンド用締付金具の単価算定にあたり、締付金物および締付ボルト、ナットは前記須田製作所で製作しているものとして1個当り56円75としているが、同製作所ではこれらを従来からそれぞれの専門業者から購入しているもので、その購入価格は締付金物1個当り12円70、締付ボルト、ナット1個当り21円計33円70であるから、これに同製作所で実施している組立、検査費として3円97を加算し、その他については当局の積算をそのまま採用して計算すると、本件バンド用締付金具の価格は1個当り41円58となる。
いま、仮に前記各項により本件予定価格を修正計算すると総額23,641,405円となり、本件購入価額はこれに比べて約900万円高価となっている。