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  • 昭和37年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項

首都高速道路公団


第17 首都高速道路公団

 首都高速道路公団の昭和37事業年度末資本金は70億円(うち政府出資35億円)で、前事業年度末に比べて30億円増加している。

 37事業年度に実施した道路等の建設は、前事業年度からの継続事業として都道首都高速道路(以下「高速道路」という。)1号線ほか6路線、3駐車場、6関連街路(高速道路建設工事施行上密接な関連を有する都市計画街路で東京都の委託によるもの。以下同じ。)、新規事業として高速道路1路線、1駐車場を建設する計画に対し、新規事業のうちの1路線を除き継続事業および新規事業とも計画箇所の建設を行ない、業務費の決算額は予算現額382億3983万余円に対し374億4620万余円で、前事業年度の決算額に比べて170億1781万余円増加している。業務費のうち、高速道路関係建設費は予算現額224億1749万余円に対し決算額218億2889万余円、駐車場関係建設費は予算現額13億0739万余円に対し決算額11億1524万余円、関連街路関係建設費等は予算現額145億1494万余円に対し決算額145億0207万余円であり、業務費予算の残額は7億9362万余円となっている。

 37事業年度の所要資金417億0802万余円については、政府出資金15億円、東京都出資金15億円、東京都交付金36億2400万円、債券発行による収入金216億4575万円、受託業務収入103億2530万余円等を充当している。

 37事業年度の損益は、収益において汐留駐車場および37年12月に営業を開始した高速道路1号線の一部の業務収入1億6998万余円、業務外収入9229万余円計2億6228万余円、費用において管理業務費1億1675万余円、業務外費用2億7237万余円等計3億9517万余円で、差引き当期損失1億3288万余円となっている。

 事業の執行にあたり、三宅坂地区の高速道路ずい道新設工事費の積算において、大量の土砂を運搬するには通常6トンダンプトラックが使用されているのに作業能率の低い4トン普通トラックを使用することとして計算したり、鋼製型わくの損料を高価に計上したりしているものがあり、また、東品川地区の高速道路新設工事費の積算において、基礎ぐい等を打ち込むには通常国産のくい打機械が使用されているのに高価な輸入品を使用する場合の損料を計上しているものがあるが、いずれも実情にそわない積算基準をそのまま適用したことによるもので、工事費の積算についてなお留意の要があると認められる。