日本原子力研究所の昭和37事業年度末資本金は280億3484万余円(うち政府出資265億2484万余円)で、前事業年度末に比べて47億1163万余円増加している。
37事業年度において、原子炉等の研究施設の建設については、前事業年度から継続の3号研究炉は37年9月臨界に達し、動力試験炉は格納容器内の諸機器を取り付け、タービン発電機のすえ付けを完了し、4号研究炉は附属棟を除き建家関係を完成し、新規に高崎研究所コバルト線源中間規模試験室等の建設に着工している。また、1号研究炉、2号研究炉の運転管理、燃料再処理、ラジオアイソトープ製造等の研究を行なっている。
これらの施設の建設および研究に要した費用は、原子炉等の施設費で31億1432万余円、研究費で4億9266万余円である。
37事業年度の所要資金48億7946万余円については、政府出資金44億9000万円、民間出資金および寄付金1億8541万円等を充当している。
37事業年度においては、事業収入2994万余円等の利益1億0442万余円、試験研究費20億7946万余円、一般管理費1億6908万余円等の損失24億2696万余円で、差引き23億2254万余円の損失金を生じ、これに前事業年度からの繰越欠損金51億1217万余円を合わせ74億3471万余円を繰越欠損金として翌事業年度に繰り越している。このように多額の欠損金を繰り越しているのは、研究等に多額の費用を要する反面、事業収益がほとんどなく、このため経費をまかなうために必要な財源を主として資本金に依存していることによるものである。