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  • 昭和38年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第1 総理府|
  • (防衛庁)|
  • 不当事項|
  • 物件

制御系解析機の購入にあたり処置当を得ないもの


(5) 制御系解析機の購入にあたり処置当を得ないもの

(一般会計) (組織)防衛本庁 (項)防衛本庁

 防衛庁防衛大学校で、昭和39年2月、随意契約により日本レジン株式会社から制御系解析機一式を3,100,000円で購入しているが、契約業者の選定が適切を欠き、さらに検収にあたり不完全で使用不能であることが判明していたのにそのまま受け入れたのは処置当を得ないと認められる。

 本件制御系解析機は、自動制御機構の増幅度および位相変位の測定試験を行なうためのもので、その契約にあたっては、上記会社が本装置の製作に関して特許出願をしているとの理由でとくに随意契約によったものであるが、本院において調査したところ、特許出願の事実はなく、また、同会社は製作能力がないため本装置を全面的に下請製作させている状況である。

 さらに、本装置は39年3月納入されたこととしているが、実際に納入されたのは4月であり、9月会計実地検査の際調査したところ、納入の際不完全な装置であることが判明していたのにそのまま受け入れたため、会計実地検査当時にいたるまで作動せず、使用されていない状況であった。

 このような事態を生じたのは、本装置はその製作に高度の技術を要するものであるから購入にあたってはこの種装置の製作に経験のある業者を選定すべきで、現に、同大学校で35年12月制御系解析機一式をこの種装置の製作に経験のある株式会社東京計器製造所から購入し使用している例もあるのに、上記のように製作能力がない会社を指定して契約したことにもよるが、さらに、納入の際、性能検査の結果、製作不良のため位相計に位相のずれがあったり、発信部に雑音が発生したりするなど作動不能の事実が判明していたのに、そのまま受領したことによるもので、その処置当を得ないと認められる。