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  • 昭和38年度|
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基礎捨石の天ばならしを過大に設計したため工事費が不経済となっているもの


(529) 基礎捨石の天ばならしを過大に設計したため工事費が不経済となっているもの

(港湾整備特別会計) (港湾整備勘定) (項)伊勢湾高潮対策事業費

 伊勢湾港湾建設部で、昭和38年5月、指名競争後の随意契約により株式会社水野組に四日市港東防波堤工事を415,700,000円(当初契約額225,000,000円)で請け負わせ施行しているが、基礎捨石の天ばならしを過大に設計したため、工事費約240万円が不経済となっていると認められる。

 本件工事は、防波堤延長1,200メートルの築造にあたり、基礎捨石25,160立米(1個当り重量50キログラムから150キログラム)を天ば幅17.5メートルから31メートルで施行し、その上に函塊57函(長さ12メートル、幅9メートル、高さ8.5メートル)および根固方塊810個(長さ2メートル、幅1.5メートル、高さ1メートル)をすえ付け、捨石の法面および天ば(函塊等のすえ付け部分を除く。)を1個当り300キログラムから500キログラムの割石で被覆するものであるが、捨石の天ば11,010平米については、その全面積にわたり潜水夫を使用し平均20センチメートル厚に砕石を間詰めして本ならしを施行することと設計し、平米当り1,302円計14,340,000円を計上している。

 しかしながら、捨石の本ならしは函塊および方塊のすえ付け基面の不陸を少なくして摩擦力を大きくし、ひいて函塊等の滑動を防止するため施行するものであるから、その敷幅相当分に多少の余裕をみて施行すれば足りるもので、残余の天ば部分は法面同様その上に被覆石を施行するものであるから粗ならしを施行すれば足りるものである。

 いま、仮に方塊については50センチメートル、函塊については1メートルの余裕をみて捨石の本ならしを施行することとすれば、天ばならし工事費は本ならし7,463平米9,717,000円、粗ならし3,547平米2,355,000円合計12,072,000円で足り、その他の工事費を合わせると総額は
413,288,000円となり、本件工事費に比べて約240万円を節減することができたものと認められる。