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  • 昭和38年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第10 建設省|
  • 不当事項|
  • 工事

航空写真撮影等にあたり処置当を得なかったため不経済となっているもの


(551)−(552) 航空写真撮影等にあたり処置当を得なかったため不経済となっているもの

(道路整備特別会計) (項)道路事業費

 測量計画機関が公共測量を実施しようとするときは、測量法(昭和24年法律第188号)の規定に基づき、測量の正確さを確保しまたは測量の重複を避けるなどの調整をするためあらかじめ国土地理院に計画書を提出することとなっており、建設省各地方建設局においても、これによりそのつど前記の計画書を提出し、航空写真等で国土地理院保有のものがあるときはこれを利用することになっているものであるが、中国地方建設局ほか1箇所で、計画書を国土地理院に提出せず航空写真撮影等の工事を施行したため、国土地理院が実施している測量と重複し、不経済となっていると認められるものが次のとおりある。

(551)  中国地方建設局で、昭和38年9月、指名競争契約により国際航業株式会社に新岡山道路航空写真撮影工事を1,839,000円で請け負わせ施行しているが、国土地理院における測量と重複して工事を施行したため、約50万円が不経済となっていると認められる。
 本件工事は、新山陽道路の調査計画に使用する縮尺1千分の1および5千分の1地形図作成のため、岡山県上道郡上道町から兵庫県境までおよび岡山県倉敷市から広島県福山市までの区間について、縮尺1万分の1で航空写真を撮影するものである。
 しかして、国土地理院においては公共事業等の用に供するために国土基本図事業を実施中であって、本件航空写真撮影区域は36、37両年度に縮尺1万分の1で撮影を完了しているもので、これらについては、国土地理院から国土基本図計画区域図で同地方建設局に通知されているのであるからこれを活用することができたものと認められるのに、これを考慮することなく、しかも国土地理院に前記計画書を提出しなかったため、工事が重複して施行されたもので、その処置当を得ない。
 いま、仮に国土地理院保有の航空写真を活用したとすれば、今後計画路線を縮尺1千分の1で図化する場合の標定点設置に伴う経費増等約133万円を考慮しても約50万円を節減することができたものと認められる。

(552)  中国地方建設局岡山工事事務所で、昭和39年2月、指名競争契約によりアジア航測株式会社に新山陽道路航空写真図化工事を897,000円で請け負わせ施行しているが、国土地理院における測量と重複して工事を施行したため、897,000円が不経済となっていると認められる。
 本件工事は、新山陽道路の調査計画に使用するため、岡山県浅口郡船穂町から広島県福山市までの間39平方キロメートルについて縮尺1万分の1の航空写真を使用して縮尺5千分の1で図化するものである。
 しかしながら、本件図化区間は国土地理院において国土基本図事業の一環として38年6月アジア航測株式会社ほか2会社に縮尺5千分の1の図化工事を請け負わせ施行し、同年度末までに完成することになっていたもので、これらについては、国土地理院が国土基本図昭和38年度計画区域図で一般に公表しているものであるからこれを活用することができたものと認められるのに、これを考慮することなく、しかも国土地理院に前記計画書を提出しなかったため、工事が重複して施行されたもので、その処置当を得ない。
 いま、仮に国土地理院保有の国土基本図を使用したとすれば、本件工事は施行する必要がなく、897,000円を節減することができたものと認められる。