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  • 昭和38年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第10 建設省|
  • 不当事項|
  • 物件

軌条の売渡価額が低廉と認められるもの


(553) 軌条の売渡価額が低廉と認められるもの

(道路整備特別会計) (項)雑収入

(治水特別会計) (治水勘定) (項)雑収入

 関東地方建設局で、昭和38年7月、一般競争契約により北田某に6キログラム梯形軌条ほか169点を5,355,000円で売り渡しているが、予定価格の積算にあたり、軌条類の価格および数量の算定が適切でなかったため、売渡価額が約180万円低額となっていると認められる。

 本件は、関東地方建設局京浜工事事務所で不用となった軌条類を他の廃用機械類とともに売却処分したもので、予定価格5,319,000円のうち軌条類2,839,251円の積算についてみると、6キログラム梯形軌条11,559メートル138トンほか7点計209トン203について、売渡単価は、日刊金属特報等の刊行物により、規格20キログラム以下のものは鉄くず2級または1級としてトン当り13,000円または14,500円、規格20キログラム以上50キログラム以下のものは鉄くず特級としてトン当り15,500円と算定し、また、売渡数量は実測値によることなく、メートル当り6キログラム梯形軌条(新品重量19キログラムから21キログラム)を12キログラム、4.5キログラム梯形軌条(新品重量12キログラムから15キログラム)を9キログラム、1丁当り6キログラム分離線(新品重量180キログラムから225キログラム)を107キログラムとするなどして総量209トン203と算定したものである。

 しかしながら、古軌条で30キログラム以上のものは通常伸鉄材として、また、それ以外の軌条は電炉用材として取引きされているもので、本院の調査によれば、その価格は契約当時トン当り23,000円または16,500円程度となっており、また、軌条の重量は、売渡予定中の同規格の軌条を計量した結果によれば、メートル当り6キログラム梯形軌条は17キログラムから21キログラム、4.5キログラム梯形軌条は10.8キログラムから13キログラム、1丁当り6キログラム分離線は175キログラム程度となっており、現に、同工事事務所が同地方建設局に本件軌条の売払措置を請求するにあたり計量した結果によっても6キログラム梯形軌条はメートル当り18.5キログラム程度、4.5キログラム梯形軌条は11.9キログラム程度となっている状況で、当局の算定は実情にそわず適切なものとは認められない。

 いま、仮に30キログラム以上のものはトン当り23,000円、それ以外のものはトン当り16,500円とし、また、軌条の重量はメートル当り6キログラム梯形軌条は17キログラム、4.5キログラム梯形軌条は10.8キログラム、1丁当り6キログラム分離線は175キログラムとするなどして再計算すれば総量274トン748価額4,712,447円となり、これにより売渡価額を修正計算すれば7,192,000円となるもので、本件売渡価額はこれに比べて約180万円低額となっていると認められる。

 上記京浜工事事務所分のほか、同地方建設局で、軌条類の売渡しにあたり、価格および数量について本件と同様の算定を行なったため、売渡価額が低額となっていると認められるものが、1契約につき開差額10万円以上のものだけでも5契約で約130万円ある。