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  • 昭和38年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第2 日本国有鉄道|
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  • 工事

通信用地下管路の敷設工費の積算が適切でなかったため工事費が高価と認められるもの


(601) 通信用地下管路の敷設工費の積算が適切でなかったため工事費が高価と認められるもの

(工事勘定) (項)東海道幹線増設費

 日本国有鉄道東京電気工事局で、東京幹線工事局の委託により、昭和38年12月、公開競争契約により日本電設工業株式会社に品川、八ッ山橋間支障通信線路改修その他工事を13,280,122円(当初契約額15,850,000円)で請け負わせ施行しているが、地下管路部分に使用するビニールパイプ敷設の歩掛りの検討が十分でなかったなどのため予定価格が過大となり、ひいて工事費が約330万円高価となっていると認められる。
 本件工事は、東海道幹線増設工事の施行によって支障を生ずる品川、八ッ山橋間の通信ケーブル類を移設する工事で、そのうち地下管路部分亘長368メートルは、径100ミリメートル硬質塩化ビニールパイプを4列3段積みにして12条敷設し、約50メートルごとにマンホール9個を新設するものであるが、その予定価格の積算についてみると、

(ア) 地下管路敷設に使用した径100ミリメートルのビニールパイプ総延長4,253メートルの配管に要する労務費を同電気工事局制定の標準人工表の露出配管(薄鋼)の歩掛りによりメートル当りの配管人工数0.49人にゆう水乗率20%を見込んでメートル当り0.588人とし3,478,057円と積算している。
 しかしながら、前記標準人工表の歩掛りは、建築工事における配管に適用するものであって、建物に調和した配管をするなどの複雑な取扱要素が加味されており、また、ビニール管は鋼管に比べて軽量であり、かつ、つぎ手の接合も容易であるのに、これらを考慮することなくそのまま通信管路の敷設歩掛りとして採用しているため、この種通信管路の敷設の作業条件に比べて著しく過大となっていると認められる。 しかして、本院の調査によれば、本件のように屋外の単純な管路敷設作業に要する人工数は径100ミリメートル鋼管においてはメートル当り0.1人程度であり、ビニール管の場合にはさらにこれより下回ると認められるが、いま、仮にメートル当りの配管人工を0.1人として計算するとしても配管費は709,808円となり、当局の積算額3,478,057円はこれに比べて約276万円過大となっていると認められる。

(イ) 各マンホールのダクト口に取り付けるビニールパイプ用縁付きソケットの数量を計上するにあたり、約200個で十分足りるのに、所要量の算定を誤り1,200個816,326円として積算したため、差引き1,000個分約68万円が過大となっていると認められる。
 以上各項により工事費を再計算すると9,911,601円となり、本件工事費はこれに比べて約330万円高価となっていると認められる。