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  • 昭和38年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第2 日本国有鉄道|
  • 不当事項|
  • 工事

橋りょう基礎工事費の積算が適切でなかったため工事費が高価と認められるもの


(602) 橋りょう基礎工事費の積算が適切でなかったため工事費が高価と認められるもの

(工事勘定) (項)諸設備費

 日本国有鉄道旭川鉄道管理局で、昭和38年3月、指名競争後の随意契約により大成建設株式会社に名寄智東間名寄川橋りょう径間拡張工事その2(下部構造)を50,000,000円で請け負わせ施行しているが、潜函沈下工費の積算が適切でなかったため予定価格が過大となり、工事費が約700万円高価となっていると認められる。

 本件工事は、名寄川河川改修に伴い宗谷本線名寄川橋りょうを架け替えるため新たに現在線と平行に橋りょう基礎を新設するものであるが、その予定価格の積算についてみると、潜函8基(沈下深度は7.5メートルから11.6メートル)の沈下工事費は、0メートルから5メートルまで、5メートルから10メートルまでおよび10メートルから11.6メートルまでにそれぞれ区分し、各区分ごとのメートル当りの所要工事費を算出して32,882,622円と積算しているが、このうち0メートルから5メートルまでのメートル当り沈下費については、0メートルから2.5メートルまでと2.5メートルから5メートルまでの2段階に細分し、それぞれのメートル当り沈下費を59,605円98および239,103円20と算出してその合計額298,709円18をそのまま0メートルから5メートルまでのメートル当り沈下費とし、これにコンプレッサ設備費等の所要経費を加算して、メートル当り沈下工事費を398,640円としている。

 しかしながら、前記のように0メートルから2.5メートルまでのメートル当り沈下費と2.5メートルから5メートルまでのメートル当り沈下費とを合計したものは2メートル分の沈下費に相当するものであって、これをそのままメートル当り沈下費としているのは誤りであり、これを修正計算すれば、メートル当り沈下費は149,354円59となり、これに設備経費等を加えて219,410円となる。現に、これと同種の他工事の例をみてもほぼこれと近似の価格となっているものである。
 いま、仮に上記のように修正計算すると沈下総工事費は25,713,422円総額は42,944,604円となり、本件工事費はこれに比べて約700万円高価となっていると認められる。