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  • 昭和38年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第3 日本電信電話公社|
  • 不当事項|
  • 工事

コンネクタの改造工数を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの


(612) コンネクタの改造工数を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの

(建設勘定) (項)電信電話施設費

 日本電信電話公社近畿電気通信局大阪堂島ほか3地区管理部(注) で、昭和38年10月、指名競争契約により東洋電気通信工業株式会社ほか3会社に雑音対策、保全強化工事ほか3件の同種工事を総額31,775,900円(当初契約額31,150,000円)で請け負わせ施行しているが、コンネクタ改造工数の算定が適切でなかったため予定価格が過大となり、ひいて工事費が約500万円高価となっていると認められる。

 本件各工事は、いずれもH形自動交換機から発生する雑音が伝送品質を不良にするため、雑音発生の主原因となっている既設の1次セレクタおよびコンネクタの改造等を施行するものであるが、予定価格の積算にあたり、コンネクタの改造工数をH13号1次セレクタの改造工数10個当り1.31人から布線および付線の工数0.06人を除いて10個当り1.25人と算定している。

 しかしながら、H13号1次セレクタの改造は、セレクタをシェルフから取りはずし、ダンパおよび抵抗器を取り付け、布線および付線を行なった後シェルフに塔載し、接続通話、複数登算回路、回線保留警報信号、コヒラー電流値等の各種試験を行なうのに対し、コンネクタの改造は、単に抵抗器を取り付け、工事の良好を確認する接続通話試験を行なえば足りるもので、両者の作業内容は相違しているのに、コンネクタの改造工数を算定するにあたり、上記のように布線および付線の工数を除いただけで、その他のセレクタの改造工数をそのまま適用することとしたのは当を得ないものと認められる。

 しかして、抵抗器取付けの所要工数は、類似作業の半田付けの標準工数からみて10個当り0.13人程度で足り、また、接続通話試験は電話局における定期試験の実績工数によれば10個当り0.24人程度で足り、結局、コンネクタ改造工数としては10個当り0.37人程度を積算すれば十分であると認められる。

 いま、仮にコンネクタ改造工数を10個当り0.37人として工事費を修正計算すると総額26,756,900円となり、本件工事費はこれに比べて約500万円高価となっていると認められる。

(注)  大阪堂島、大阪天満、大阪天王寺、大阪難波各地区管理部