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  • 昭和38年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項

海外移住事業団


第22 海外移住事業団

 海外移住事業団は、昭和38年7月、海外移住事業団法(昭和38年法律第124号)の規定に基づき、移住者の援助および指導その他海外移住の振興に必要な業務を国の内外を通じ一貫して効率的に行なうことを目的とし、財団法人日本海外協会連合会および日本海外移住振興株式会社の一切の権利および義務を承継して設立されたもので、38事業年度末資本金は40億2500万円(全額政府出資。うち同会社からの承継分は32億2500万円、設立に際し新たに出資された分は8億円)である。

 38事業年度の業務の計画のうちおもなものは、ブラジル国現地法人の分を含めて、移住者の援助および指導2億3885万円、渡航費貸付4億6189万余円、入植地業務1億7064万余円ならびに事業資金貸付4億5444万余円で、これに対する実績は、移住者の援助および指導1億0985万余円、渡航費貸付8926万余円、入植地業務1億4453万余円ならびに事業資金貸付3億9103万余円となっていて、渡航費貸付の実績が計画を大きく下回っているが、これは、同事業年度におけるわが国の海外移住が予想外に低調であって、渡航費貸付の対象人員が5,220名の計画に対し969名にすぎなかったことによるものである。

 日本海外移住振興株式会社が31年以来施行した分を含めて38事業年度末までに同事業団が施行した入植地業務についてみると、アルト・パラナ(パラグァイ国)ほか11入植地で264,448ヘクタールを購入しているが、そのうち42事業年度末までに6,704ロッテ180,418ヘクタールを造成する計画に対し、2,589ロッテ61,138ヘクタールを造成しており、1,288ロッテ31,546ヘクタールを分譲している。

 しかして、同事業団は、上記会社から承継した入植地につき造成、分譲等の総合計画を立てるため調査検討を行なっているが、設立後日が浅くその結論が出ていないので、38事業年度においては、新たな入植地の取得はなく、承継入植地についても、わずかに32ロッテ655ヘクタールを造成したにすぎず、また、分譲についても、移住者数の減少等により、90ロッテ1,848ヘクタールを分譲したにとどまった。

 38事業年度の所要資金については、政府出資金8億円、政府交付金6億8031万余円、上記会社からの承継資金5億7597万余円、渡航費貸付資金の政府(一般会計)からの借入金8926万余円等を充当している。

 38事業年度の同事業団の損益については、海外支部所在国の貨幣価値の変動等の事由により、本支部合併財務諸表の作成は不適当であるとしてこれを作成していないので、本支部合併の総利益および総損失は表示されていないが、管理事務、移住者の援助および指導等の経理にかかる一般勘定では872万余円の純利益、事業資金貸付等の経理にかかる融資勘定では677円の純利益、上記会社から承継した資産および負債の経理にかかる旧勘定では2977万余円の純損失で、差引き2105万余円の純損失を生じ、同会社当時からの繰越損金と合わせて欠損金累計は9億2831万余円となっている。

 またブラジル国現地法人の損益は、ジャミック移植民有限責任持分会社については、1828万余クルゼイロの純損失を生じ、欠損金累計は1億1624万余クルゼイロとなっており、イジュウシンコウ信用金融株式会社については、4794万余クルゼイロの純損失を生じ、欠損金累計は5452万余クルゼイロとなっている。

 同事業団サンタ・クルス支部およびジャミック移植民有限責任持分会社べレーン支店において、日本海外協会連合会当時決算上支出したこととなっている補助金を実際は支出しないで保留したことなどによる資金について、同事業団成立後約1年を経過してもなお正規の引継ぎ処理を行なわず、この資金を含む同連合会の残務整理の収支を帳簿外に経理し、サンタ・クルス支部においては39年7月7日現在71,416,953ボリヴィアーノ(2,135,210円)、べレーン支店においては39年8月11日現在1,018ドル(366,480円)をそれぞれ簿外に保管していたものがあり、引継ぎの処理が不適確であると認められた。