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  • 昭和38年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項

帝都高速度交通営団


第27 帝都高速度交通営団

 帝都高速度交通営団の昭和38年度末資本金は141億円(うち日本国有鉄道出資90億3431万余円)で、前年度末に比べて10億円増加している。

 38年度に実施した新線建設は、前年度からの継続事業として東京都市計画高速鉄道網第2号線(北千住、中目黒間延長21キロメートル)、第4号線(池袋、荻窪間および中野坂上、方南町間延長27キロメートル)および第5号線(中野、東陽町間延長16キロメートル)の建設を行ない、建設費の計画額238億5970万余円に対し実績は242億6830万余円で、前年度の実績179億0874万余円に比べて63億5956万余円増加している。

 38年度末における営業キロ数は59キロメートルで、年度中新たに営業を開始したものは第2号線のうち霞ケ関、恵比寿間延長6キロメートルである。

 38年度の所要資金407億3792万余円については、日本国有鉄道出資金5億円、東京都出資金5億円、債券発行による収入金159億8560万円、資金運用部資金の借入金79億円、銀行等からの借入金33億6000万円および事業総収入112億6595万余円等を充当している。

 しかして、38年度中の債券発行額および長期借入金は272億4560万円(うち借換額31億4760万円)で、これから償還額52億3855万余円を差し引いた年間純増加額は220億0704万余円であり、年度末残高は935億2611万余円となっている。

 38年度の損益は、収益において地方鉄道業営業収益108億4214万余円、営業外収益4億7956万余円等計113億8099万余円、費用において地方鉄道業営業費69億3172万余円、支払利息41億5995万余円等計113億8099万余円で、収益費用同額となっており、前年度に比べてそれぞれ16億6546万余円の増加となっている。収益が増加したのは乗車人員が前年度の4億5009万余人に対し5億3334万余人と18.4%の伸びを示し、運輸収入が増加したことなどのためであり、一方、費用が増加したのは営業費、支払利息等が増加したことによるものである。

 なお、新線建設工事において、予定価格の積算が実情にそわず適正を欠いていると認められるものがあったので、第4節(4) 記載のとおり39年10月改善の意見を表示した。