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  • 昭和39年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第1 総理府|
  • (防衛庁)|
  • 不当事項|
  • 物件

戦車用部品トーラスカバーの購入にあたり価格の調査が十分でなかったため購入価額が高価と認められるもの


(1)  戦車用部品トーラスカバーの購入にあたり価格の調査が十分でなかったため購入価額が高価と認められるもの

(昭和38年度) (一般会計) (組織)防衛本庁 (項)防衛本庁

 陸上自衛隊武器補給処で、昭和39年2月、随意契約により丸紅飯田株式会社から戦車用部品トーラスカバー43個を総額4,873,405円で購入しているが、価格の調査が十分でなかったため予定価格が過大となり、ひいて購入価額が約400万円高価となっていると認められる。

 本件トーラスカバーは、戦車M24の流体継手のカバーで、鋼板製わん状のものであるが、予定価格の積算にあたり米国軍の補給品価格表に記載されている1個当り価格137ドルから商業取引きによる輸入価格(輸入諸掛込みの円貨額。この場合の換算率1ドル当り931円64)を計算して単価127,634円総額5,488,262円と算定し、前記会社から単価113,335円総額4,873,405円で購入したものである。しかして、予定価格作成前に本件納入業者が提出した米国輸出業者の見積書によれば、トーラスカバーの単価(F.O.B価格)は38ドル50で、これを輸入価格(輸入諸掛込みの円貨額。この場合の換算率1ドル当り475円20)に換算すると18,295円20となっているばかりでなく、本院において陸上自衛隊におけるトーラスカバーの調達実績の有無について調査したところ、北海道地区補給処で、37年度に価格16,786円で購入しているなどの実例があり、本件予定価格積算時にはこれら輸出業者の見積価格および調達実績価格をは握することができたものであるから、これを十分調査検討のうえ適正な価格を算定すべきであったと認められるのに、前記のように127,634円と著しく高価な単価により積算したのは当を得ない。
 いま、仮に本件トーラスカバーについて輸出業者の見積価格を換算した輸入価格18,295円20により計算すると総額786,693円となり、本件購入価額はこれに比べて約400万円高価となっていると認められる。