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  • 昭和39年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第1 総理府|
  • (防衛庁)|
  • 不当事項|
  • 補助金

教育施設等騒音防止対策事業費補助金の経理当を得ないもの


(3)−(5)  教育施設等騒音防止対策事業費補助金の経理当を得ないもの

(一般会計) (組織)防衛施設庁 (項)施設提供等諸費

 仙台防衛施設局で、青森県三沢市ほか1村が昭和38年9月から40年3月までの間に工事費120,889,628円(うち38年度分50,456,000円)で施行した三沢市立三沢第一中学校ほか2校の教育施設騒音防止対策事業に対し、国庫補助金110,830,360円(うち38年度分49,775,000円)を交付しているが、その実施状況について検査したところ、工事の施行が著しく不良なため補助の目的を達していないものまたは施行が設計と相違しているものがあり、国庫補助金を除外すべきものが次表のとおり3件20,402,009円ある。

工事名 事業主体 事業
年度
工事費 左に対する国庫補助金 不当工事費 左に対する国庫補助金相当額
(3) 三沢市立三沢第一中学校防音改築第2期工事 三沢市 39 21,330,000 19,262,571 21,330,000 19,262,571
鉄筋コンクリート3階建延1,662平米のく体建築工事の施行にあたり、地盤面以下に施行した柱基礎および地中ばりのコンクリートは厳寒時の打設であるのに適切な養生をしなかったり、早期に型わくを取り外したりしたなどのため凍結して硬化せず、また、柱基礎に接続して施行した柱は柱基礎と一体となるようコンクリートを打設すべきであるのに、実際は柱脚部を含め全面にわたり強度の異なる床コンクリートを施行し、その上に柱型わくを立ち上げて柱コンクリートを打設したため、所要強度のないコンクリートがそう入され、とくに中央部柱5本については基礎に接続して施行する柱の打継部分にコンクリートを充てんしないで切込砂利を厚さ30センチメートル程度も混入しているため、建物の荷重が露出した鉄筋だけでささえられている部分があるほか、1階床コンクリートは埋めもどし土のつき固めが不十分なまま施行したため最大14センチメートルも沈下しているなど施行が不良で、構造上きわめて危険な状態となっている。
(4) 三沢市立岡三沢小学校防音改築第2期工事 三沢市 38
39
51,969,628 48,063,189 527,000 508,746
鉄筋コンクリート3階建延2,136平米の建築工事の施行にあたり、屋階602平米のアスファルト防水層の保護工として施行するシンダーコンクリート(厚さ6センチメートル)および押え防水モルタル(厚さ約2センチメートル)は縦方向約4.5メートル、横方向約5メートルごとに幅15ミリメートルでアスファルト防水層に達する目地を設けアスファルトコンパウンドを充てんすることとなっているのに、実際は目地を施行しなかったため、シンダーコンクリートの伸縮により防水層の保護効果を低下させるき裂がすでに各所に生じている状況である。
(5) 六ヶ所村立平沼小中学校防音改築ほか1工事 青森県上北郡六ヶ所村 38
39
47,590,000 43,504,600 652,000 630,692
鉄筋コンクリート2階建延1,544平米の建築工事の施行にあたり、屋階656平米のアスファルト防水層の保護工として施行するシンダーコンクリート(厚さ6センチメートル)および押え防水モルタル(厚さ約2センチメートル)は縦方向5.1メートル、横方向4.3メートルごとに幅15ミリメートルでアスファルト防水層に達する目地を設けアスファルトコンパウンドを充てんすることとなっているのに、実際は目地を施行しなかったため、シンダーコンクリートの伸縮により防水層の保護効果を低下させるき裂がすでに各所に生じている状況である。
120,889,628 110,830,360 22,509,000 20,402,009