ページトップ
  • 昭和39年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第4 厚生省|
  • 不当事項|
  • 補助金

日本ベル福祉会館の建設計画が当を得ないため補助の目的を達していないもの


(194)  日本ベル福祉会館の建設計画が当を得ないため補助の目的を達していないもの

(一般会計) (組織)厚生本省 (項)社会福祉諸費

 社会福祉法人日本ベル福祉協会で、ろうあ者の更生援護事業等を行なうために設置する日本ベル福祉会館について、整備費194,864,000円(建築費184,864,000円、初度設備費10,000,000円)に対して昭和37年3月国庫補助金30,000,000円(建築費26,928,000円、初度設備費3,072,000円)の交付決定を受け、38年度末までにしゅん功したものとし精算を了したこととしているが、施設整備の完成が著しく遅れ、いまだに施設の効用を発揮することができず補助の目的を達していない。

 本件会館の建設については、38年度においても、寄付金収入について過去2年度の実績に徴し過大と認められる見積りをするなどその資金計画の検討が不十分であったなどのため、工事請負契約が著しく遅れ、39年1月10日にいたってようやく着工したため3月31日現在においては基礎工事が完了している程度(出来高17.6%)にすぎないばかりでなく、40年8月会計実地検査当時においてもいまだにその一部の工事が完成しておらず、また、初度設備についても、補助金の交付申請書によると10,000,000円の設置をすることとなっているのに、40年3月8日から4月30日までの間に3,970,896円の設備の購入をしているだけで、10月末現在においても事業を開始していない状況である。
 なお、厚生省においては、国庫補助金30,000,000円の交付について、大蔵大臣との協議により、事業の出来高に応じて分割交付することとなっているが、39年3月31日現在事業の出来高は初度設備を含め16,7%にすぎないのに、国庫補助金30,000,000円の全額が交付済みとなっている状況である。