ページトップ
  • 昭和39年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第5 農林省|
  • 不当事項|
  • 補助金

公共事業に対する国庫補助金等の経理当を得ないもの


(255)−(533) 公共事業に対する国庫補助金等の経理当を得ないもの

(一般会計) (組織)農林本省 (項)土地改良事業費 (項)農用地開発事業費 (項)鉱害復旧事業費 (項)海岸事業費 (項)農業施設災害関連事業費 (項)昭和39年発生農業施設災害関連事業費 (項)農業施設災害復旧事業費(項)昭和39年発生農業施設災害復旧事業費 (項)昭和38年発生農業施設災害復旧事業費 (項)昭和36年発生農業施設災害関連事業費 (項)昭和36年発生農業施設災害復旧事業費
(組織)林野庁 (項)林道事業費 (項)山林施設災害復旧事業費 (項)昭和39年発生山林施設災害復旧事業費(項)北海道林道事業費
(組織)水産庁 (項)漁港施設費 (項)海岸事業費 (項)漁港施設災害復旧事業費 (項)昭和39年発生漁港施設災害復旧事業費 (項)北海道漁港施設費 (項)北海道海岸事業費 (項)離島振興事業費 (項)昭和38年発生漁港施設災害復旧事業費 (項)特別失業対策事業費
(国有林野事業特別会計) (治山勘定)
(項)治山事業費 (項)北海道治山事業費 (項)離島治山事業費

 地方公共団体、土地改良区、森林組合等が施行した土地改良、治山施設、林道開設、漁港修築および災害復旧等の工事に対する国庫補助金または国庫負担金(以下「国庫補助金」という。)は、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律(昭和25年法律第169号)等の根拠法規に基づいて交付されるものである。昭和40年中、その経理および工事施行の状況について、全国の工事現場45,148箇所のうち北海道ほか32都府県につきその7.5%に相当する3,399箇所(工事費30,226,308,288円、国庫補助金17,725,778,065円)を実地に検査したところ、これら施設のコンクリート工事において粗悪な骨材を使用したり、配合の悪い粗悪なもので施行したりしている事例が多く見受けられるほか、農業施設においては、水路護岸等の石垣工事で、石積みの施行が粗雑となっていたり、胴込および裏込のコンクリートがほとんど施行されていなかったり、その量が設計に比べて不足したりしているもの、頭首工等 のコンクリート工事で、粗悪なコンクリートに玉石等を混入しているもの、ため池の堤とう工事で、はがね土、さや土の締固めが不十分となっているものなどがあり、治山施設および林道施設においては、えん堤等の玉石コンクリート工事で設計に比べて玉石を多量に使用しているものなどがあり、漁港施設においては、護岸等のコンクリート工事で、コンクリートのつき固めが不十分となっているもの、根固被覆捨石が設計量に比べて不足していたり、その張立てが粗雑となっていたりしているものなどがあり、また、事業主体が正当な自己負担をしていないもの、工事費の積算が過大となっているものがあって、国庫補助金を除外すべきことの判明したもので除外すべき額1工事10万円以上のものが北海道ほか31都府県において324工事177,968,722円となっており、このうち国庫補助金を除外すべき額1工事20万円以上のものをあげると別表第2のとおり279件170,736,391円である。

 しかして、公共事業関係国庫補助金の経理については、不当と認めた事例を毎年度の検査報告に掲記して注意を促してきたところであるが、上記のように不当な事例が依然として多数に上っているのは、事業主体、とくに市町村、組合等における工事の実施体制が不十分なため、現場の指導監督および検査が行き届かなかったり、工事の発注にあたって業者の施行能力等を十分に調査、検討しないで契約したため適正な工事を施行することが困難となったりしていることなどによるものと認められるので、第8節(5)記載のとおり40年11月改善の意見を表示した。