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  • 昭和39年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第5 農林省|
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農業構造改善事業の計画にあたり処置当を得ないもの


(535)−(536) 農業構造改善事業の計画にあたり処置当を得ないもの

  (一般会計) (組織)農林本省 (項)農業構造改善対策費

 農業構造改善事業は、都市化、工業化の予想される市町村を除いて実施地域を定め3箇年にわたって農業生産基盤の整備開発、農業経営近代化施設の導入等農業構造の改善に必要な事業を総合的有機的に実施するものであるが、岩手県花巻市および岡山県真庭郡新庄村において事業の計画が当を得ないため補助の目的を達していないと認められるものが次のとおりある。
 なお、将来における都市化を予定して都市計画用途地域の住居地域として指定を受けた地区に、土地基盤整備事業として区画整理を実施しているものも見受けられたので、今後事業の採択にあたっては特段の配慮の要があると認められる。

(535)  岩手県花巻市花巻地域北部地区で宮野目農業協同組合が昭和37年度に事業費2,272,700円(国庫補助金1,135,000円)で導入したトラクター1台は、関連する土地基盤整備事業についての検討が不十分なまま導入したため利用することができず補助の目的を達していない。
 本件トラクター(35馬力)は、同地区において37年度以降3箇年間に農地300ヘクタールの区画整理および暗きょ排水事業を実施するとともに、これに関連するトラクター6台、コンバイン2台の導入およびライスセンター等の設置を行なう計画に基づき、38年2月導入したものであるが、その導入にあたっては関連する区画整理および暗きょ排水事業の実施について一部地元民の反対があり、事業の実施見込みが明らかでなかったものであるからその調整について十分検討すべきであるのに、これをしないで導入し、区画整理および暗きょ排水事業が廃止となったため、トラクターは利用できない状況となっている。

(536)  岡山県真庭郡新庄村新庄地区で新庄村が昭和37年度に事業費3,730,200円(国庫補助金1,573,000円)で導入したトラクター1台(格納庫を含む。)は、関連する土地基盤整備事業についての検討が不十分なまま導入したため利用することができず補助の目的を達していない。
 本件トラクター(39.5馬力)は、同地区において農地21ヘクタールの暗きょ排水事業を実施し、その他の乾田25ヘクタールを合わせた46ヘクタールの耕作に利用するため38年3月導入したものであるが、その導入にあたっては関連する暗きょ排水事業の実施について一部地元民の反対があり、事業の実施見込みが明らかでなかったものであるからその調整について十分検討すべきであるのに、これをしないで導入し、暗きょ排水事業が廃止となったためトラクターは利用できない状況となっている。