(一般会計) (組織)食糧庁 (項)国産大豆等保護対策費
食糧庁で、昭和39年度に、全国販売農業協同組合連合会(以下「全販連」という。)および全国主食集荷協同組合連合会(以下「全集連」という。)に対し、昭和39年産なたね交付金として255,313,481円をなたねの生産者に交付することとして支出しているが、調査が十分でなかったため、交付金のうちに交付の対象としてはならないものを含めていたり、交付金が生産者に交付されていなかったりしているものが1,065,183円ある。
本件交付金は、大豆の輸入の自由化に伴い、低廉な外国産大豆の輸入が増大することにより、国内産の大豆およびなたねの価格が低落することが見込まれるので、大豆なたね交付金暫定措置法(昭和36年法律第201号)の規定に基づき、生産者が農業協同組合等の登録集荷業者(以下「集荷業者」という。)を通じ全販連および全集連に売渡しの委託をした39年産なたね39,789,112キログラムについて、生産者の平均手取額が60キログラム当り3,490円となるようその販売価格との差額相当分(385円)を交付金とし、全販連、全集連、農業協同組合連合会等および集荷業者を通じ生産者に交付するものである。
しかして、本院において、本件交付金の交付対象となったなたねを取り扱ったもののうち、ホクレン農業協同組合連合会ほか10連合会等および岩見沢市農業協同組合ほか180集荷業者について調査したところ、前記法律によれば、交付金の交付対象となるなたねは生産者が集荷業者を通じ全販連および全集連に売渡しの委託をしたものに限られるなどの条件が付されているのに、集荷業者が買い取ったなたねなど交付の対象としてはならないものを含めていたものが青森県六ヶ所村第一農業協同組合ほか14集荷業者で79,692キログラムに対する交付金511,353円あり、また、本件交付金は生産者からの委託数量に応じこれを生産者に交付することになっているのに、集荷業者が交付金を受領していながらこれを生産者に交付していなかったものが三沢市農業協同組合ほか24集荷業者で553,830円ある。