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  • 昭和39年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第8 郵政省|
  • 不当事項|
  • 不正行為

職員の不正行為により国に損害を与えたもの


(583)−(587) 職員の不正行為により国に損害を与えたもの

(郵政事業特別会計)
(簡易生命保険及郵便年金特別会計)

 東京中央ほか6郵便局(注) で、昭和28年3月から40年6月までの間に、関係職員により繰替払現金をほしいままに領得されたものが1事項5万円以上のもので7事項28,114,416円(うち40年9月末現在補てんされた額7,850,723円)ある。
 本件は、各郵便局において、

(ア) 貯金、保険担当の外務員が郵便貯金の集金および簡易生命保険保険料の収納事務等に従事中、定額郵便貯金等の預入金、簡易生命保険保険料を受領しながら受入処理をしないで領得したもの、

(イ) 窓口事務担当の内務員が貯金、保険等の現金受払事務に従事中、定額郵便貯金等の預入金、簡易生命保険保険料および料金別納郵便物料金を受領しながら受入処理をしなかったり、または郵便貯金払いもどし金受領証を偽造したりして現金を領得したもの、

(ウ) 特定郵便局長代理が分任繰替払等出納官吏として勤務中、単独でまたは職員と共謀して定額郵便貯金預入金を受領しながら受入処理をしないで領得したものなどである。

 以上のほか、繰替払現金および簡易生命保険及び郵便年金積立金運用収入金を領得されたもので全額補てんされたものが1事項5万円以上のもので48事項16,194,105円あり、このうちには職員を監督する地位にある特定郵便局長により領得されたものが6事項2,132,757円ある。
 これら不正行為に対しては、当局においてもその防止に努めてはいるが、なおこのような事例とくに管理者の長期にわたる不正行為が絶えないのは遺憾である。
 前記7事項28,114,416円のうち1事項50万円以上のものをあげると、次表のとおり5件27,711,983円(うち40年9月末現在補てんされた額7,814,091円)である。

(注)  次表に掲記した郵便局のほか麻布、小倉両郵便局

庁名 不正行為をした職員 不正行為期間 不正行為金額 補てんされた額(40.9.30現在)

年 月

(583) 東京郵政局管内

 東京中央郵便局 出納員
郵政事務官
 福石某
39.  5から
39. 12まで
2,561,796 931,796
同人が窓口で料金別納郵便物の引受事務等に従事中、郵便物差出票および郵便料金受領証原符を偽造して別納郵便料金を領得したものである。
(584) 東京郵政局管内
 国分郵便局 郵政事務官
 岡本某
37. 6から
39. 11まで
8,111,660 3,346,916
同人が窓口で現金受払事務に従事中、定額郵便貯金預入金および通常郵便貯金預入金の預入報告をしないで、または通常郵便貯金払いもどし金受領証を偽造するなどの方法により領得したものである。
(585) 名古屋郵政局管内
 中村郵便局 出納員
郵政事務官
 浜某
37. 4から
40. 6まで
4,459,472 2,749,472
同人が貯金課外務員として郵便貯金の募集および集金事務に従事中、定額郵便貯金預入金および通常郵便貯金預入金の預入手続きをしないで、または局外で払いもどしを依頼された通常郵便貯金の払いもどし金受領証を偽造して領得したものである。
(586) 仙台郵政局管内
 浅舞郵便局 分任繰替払等出納官吏
郵政事務官
 高橋某ほか4名
28. 3から
39. 9まで
11,907,316 631,266
高橋某が特定郵便局長代理として勤務中、また、出納員菊地某が窓口で現金受払事務等に従事中、それぞれ単独でまたは出納員泉谷某ほか2名と共謀して定額郵便貯金預入金の預入報告をしないなどの方法により領得したものである。
(587) 札幌郵政局管内
 江差郵便局 出納員
郵政事務官
 林某
38. 5から
39. 8まで
671,739 154,641
同人が窓口で現金受払事務に従事中、簡易生命保険保険料の受入報告をしないで領得したものである。
27,711,983 7,814,091