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  • 昭和39年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第10 建設省|
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  • 工事

井筒工の積算にあたり計算を誤ったため工事費が高価と認められるもの


(593) 井筒工の積算にあたり計算を誤ったため工事費が高価と認められるもの

(道路整備特別会計) (項)道路事業費

 九州地方建設局で、昭和39年6月、指名競争契約により株式会社志多組に市棚棧道(下部工)工事を21,500,000円(最終契約額25,360,000円)で請け負わせ施行しているが、井筒底面積の計算を誤ったため予定価格が過大となり、ひいて工事費約120万円が高価となっていると認められる。

 本件工事は、1級国道10号線宮崎県東臼杵郡北川村大字川内名字万地地先に市棚棧道の下部工として橋台1基、橋脚8基を施行するものであるが、その予定価格21,500,000円についてみると、うち基礎を井筒工法で施行する5、6、7号橋脚の井筒の沈下費用3,534,500円は、井筒内の岩石をダイナマイトで破砕してバケットにより掘さく沈下させるもので、バケットの1日のか働時間、容量、サイクルタイムから計算した1日当り掘さく土量を底面積(5号橋脚34.68平米、6号橋脚64.3平米、7号橋脚64.3平米)で除して井筒の1日当り沈下量を算出し、これに必要な沈下費用を5号橋脚429,400円、6号橋脚744,300円、7号橋脚2,360,800円とそれぞれ積算している。
 しかしながら、前記各橋脚の底面積は、その計算にあたり、直径を2分の1して2乗したものに円周率を乗ずべきところ、誤って、直径を2乗して2分の1したものに円周率を乗じたなどのため、正当な底面積の2倍程度の底面積となったもので、底面積は5号橋脚18.9平米、6号橋脚32.2平米、7号橋脚32.2平米が正当であり、これによって井筒の沈下費用を再計算すると、5号橋脚は261,400円、6号橋脚は437,300円、7号橋脚は1,383,900円となるものである。
 いま、仮に井筒沈下費用を上記のとおり修正して工事費を計算すると、共通仮設費において積算漏れとなっていた524,820円を考慮しても20,298,000円となり、本件工事費はこれに比べて約120万円が高価となっていると認められる。