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  • 昭和39年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第2 日本国有鉄道|
  • 不当事項|
  • 工事

給排水管の防露被覆工事の施行が設計と相違しているもの


(658)−(659) 給排水管の防露被覆工事の施行が設計と相違しているもの

(工事勘定) (項)東海道幹線増設費

 日本国有鉄道東京工事局ほか1箇所で、給排水衛生設備工事を施行しているが、このうち給排水管の結露防止、保温等を目的とする防露被覆工事の監督、検査が適切でなかったため、防露被覆材料が日本国有鉄道施設局制定の鉄道建築工事標準仕様書に定められた規格と相違した低価なもので施行されており、仕様書に比べて防露の効果が低下していると認められるものが次のとおりある。

(658)  日本国有鉄道東京工事局で、昭和38年11月および12月、指名競争契約により株式会社西原衛生工業所に東海道幹線増設に伴う東京駅八重洲口高架下仕上その他その7衛生設備その1工事ほか1工事を工事費37,407,354円で請け負わせ、39年11月までに設計どおりしゅん功したものとして検収を了しているが、仕様書に定められた規格と相違した低価な防露被覆材料を使用して施行されたため、仕様書に比べて防露の効果が低下していると認められる。
 本件工事は、東海道幹線増設に伴い増設する東京駅の建築工事に付帯する給排水衛生設備工事であるが、このうち給排水管(口径20ミリメートルから250ミリメートル)延長5,936メトールの防露被覆工事(工事費6,018,111円)については、仕様書において、防露材のアスファルトルーフィングをJIS A6006 による35キログラム品とし牛毛フェルトの内側、外側に使用することとしているのに、実際は内側にタールフェルト4キログラム品、外側にアスファルトフェルト15キログラム品またはアスファルトルーフィング17キログラム品を使用して施行しており、また、防露材被覆用ジュートアスファルトは、平米当り397グラム以上の麻布の両面にアスファルトをしみ込ませたものを使用することとしているのに、実際は平米当り270グラムの麻布の片面だけにアスファルトをしみ込ませたものを使用して施行しているばかりでなく、陰ぺい部は麻布テープだけで施行しているなど仕様書と著しく相違した出来形となっている。 本件に対しては、請負人から1,000,000円を返還させる旨の報告があった。

(659)  日本国有鉄道大阪幹線工事局で、昭和39年3月および5月、随意契約により株式会社大林組に幹線大阪駅本屋仕上その19工事ほか2工事を工事費86,674,612円で請け負わせ、39年9月までに設計どおりしゅん功したものとして検収を了しているが、仕様書に定められた規格と相違した低価な防露被覆材料を使用して施行されたため、仕様書に比べて防露の効果が低下していると認められる。
 本件工事は、東海道幹線増設に伴い増設する新大阪駅新築に付随する工事であるが、このうち給排水管(口径20ミリメートルから300ミリメートル)延長6,305メートルの防露被覆工事(工事費14,498,755円)については、仕様書において、防露材のアスファルトルーフィングをJIS A6006による35キログラム品とし牛毛フェルトの内側、外側に使用することとしているのに、実際は内側にタールフェルト10キログラム品を、また、外側にアスファルトフェルト20キログラム品を使用して施行しているなど、仕様書と著しく相違した出来形となっている。
 本件に対しては、請負人から1,550,000円を返還させる旨の報告があった。