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  • 昭和39年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第3 日本電信電話公社|
  • 不当事項|
  • 工事

洞道工事等の契約更改にあたり積算が適切でなかったため工事費が高価と認められるもの


(661) 洞道工事等の契約更改にあたり積算が適切でなかったため工事費が高価と認められるもの

(建設勘定) (項)電信電話施設費

 日本電信電話公社近畿電気通信局で、昭和39年3月、指名競争契約により協和電設株式会社に第二城東局分局開始工事(土木)を149,800,000円で請け負わせ、その後40年3月設計変更により契約額を52,000,000円増額し、201,800,000円(ほかに支給材料2,446,014円)で施行しているが、契約更改にあたり、鋼矢板損料の減額計算を誤るなど積算が適切でなかったため、工事費が約480万円高価となっていると認められる。
 本件工事は、第二城東電話局から城東、関目両電話局に至る間に、全長432メートルの洞道および亘長130メートルの地下管路を築造および布設するなどの工事であるが、そのうち洞道築造工事については、当初設計において、仮設工事として432メートル間に土留用鋼矢板1,266トンを打ち込み洞道築造後その全量を引き抜くこととし、また、地下水位を低下させるためウエルポイント工法を採用することとして着工したところ、現場の土質が軟弱で、工事施行中近傍地域に地割れが生じたため、鋼矢板の全量を引き抜くと工事施行に支障をきたすことになったので、鋼矢板は458トンを埋め殺すこととし、また、ウエルポイント工事はとりやめ、地盤を安定させるため薬液注入工法を採用するなどの設計変更を行ない、前記のとおり契約額を52,000,000円増額したものである。
 しかして、この増額分52,000,000円の予定価格の積算についてみると、

(ア) 本件洞道工事のうちB工区197.5メートルについては埋め殺すことに変更した鋼矢板338.9トン分の材料費として新たに16,563,560円を計上し、他方、当初設計の予定価格に算入していた鋼矢板の損料7,299,425円のうち33.9トン分449,175円を減額しているが、減額すべき損料は埋め殺すこととして材料費を計上したものと同量の338.9トン分4,490,425円とすべきものであって、これを誤ったため、結局、305トン分4,768,675円(諸経費を含む。)が過大となっている。

(イ) 薬液注入などのための工事費として新たに直接工事費33,473,490円、諸経費相当額2,801,365円計36,274,855円を計上し、他方、当初設計の予定価格に算入していたウエルポイント工事費7,618,080円のうち未施行分の直接工事費3,228,000円を減額しているが、減額すべき未施行分のウエルポイント工事費は、直接工事費だけでなくこれに対する諸経費相当額も合わせ3,809,040円とすべきものであって、これを誤ったため、結局、581,040円が過大となっている。
 以上各項により工事費を修正計算すると設計変更による工事費増額分は47,145,683円、工事費総額は196,945,683円となり、本件工事費はこれに比べて約480万円高価となっていると認められる。