昭和３９年度決算検査報告
水資源開発公団の昭和３９事業年度末資本金は７億円（全額政府出資）で、前事業年度末に比べて２億円増加している。
３９事業年度においては、前事業年度に引き続き、利根川水系における矢木沢ダム、下久保ダム、利根導水路の各建設事業および群馬用水、印旛沼開発の各事業ならびに淀川水系における高山ダム建設事業、長柄可動堰改築事業を実施している。
しかして、その建設事業実施額は、ダム建設事業８２億６８７１万余円、用水路等建設事業９４億１７７０万余円、印旛沼開発事業２７億６４３６万余円計２０４億５０７８万余円の計画に対し、ダム建設事業４９億６１３３万余円、用水路等建設事業６６億５９４７万余円、印旛沼開発事業１７億７９３３万余円計１３４億００１５万余円となっている。このように計画に比べて実施額が少なかったのは、高山ダム建設事業等で用地買収がはかどらなかったことなどによるものである。
また、上記事業のうち利根導水路建設事業については、荒川取水施設等の早期完成をはかり、３９年８月から４０年３月までの間に荒川および利根川から総量７３６３万余立米を取水して東京都の上水道用水に供給している。
３９事業年度の所要資金１５６億８１４５万余円については、政府出資金２億円、資金運用部資金の借入金１７億円、政府交付金２２億７５６３万余円、国庫補助金２億９９９０万余円、債券発行による収入金２４億９３７５万円、負担金収入４２億５８０９万余円、受託業務収入２３億４１３０万余円等を充当している。