(一般会計)(組織)厚生本省(項)環境衛生対策費(項)国立公園等管理費
(1) 簡易水道等施設費補助金等
(125)−(130) 昭和39、40両年度において市町村が事業主体となって施行した簡易水道等施設に対する国庫補助金の経理に関し、北海道ほか26都府県の工事現場783箇所のうち338箇所について検査したところ、工事の施行が不良なため補助の目的を達していないものまたは工事の出来高が不足しているものがあり、国庫補助金を除外すべきことの判明したもので除外すべき額1工事10万円以上のものが宮城ほか5県(注) において7工事2,786,833円となっており、このうち国庫補助金を除外すべき額1工事20万円以上のものをあげると次表のとおり6件2,634,500円である。
(注) 次表に掲記した県のほか栃木県
県名 工事名 |
事業主体 | 事業年度 | 工事費 | 左に対する国庫補助金 | 補助工事費から除外すべき額 | 左に対する国庫補助金 | |
円 | 円 | 円 | 円 | ||||
(125) | 宮城県 | ||||||
宮城郡泉町七北田地区簡易水道新設事業 | 泉町 | 40 | 50,604,000 | 12,651,000 | 978,000 | 244,500 | |
配水管布設に伴う道路復旧延長2,984メートルは、掘さく土2,897立方メートルを捨土し、その埋めもどしは下層に砂1,604立方メートル、上層に切込砂利1,293立方メートルを施行したこととしているが、実際は上層はその大部分を掘さく土等の土砂で施行し、切込砂利は3割程度の392立方メートルを施行したにすぎない。 | |||||||
(126) | 茨城県 | ||||||
新治郡桜村南地区簡易水道新設事業 | 桜村 | 40 | 40,006,000 | 10,000,000 | 817,000 | 204,250 | |
配水管布設に伴う道路復旧延長3,870メートルは、掘さく土2,428立方メートルを埋めもどし、その上層に切込砂利265立方メートルおよび砂利398立方メートルを施行したこととしているが、実際は切込砂利は4立方メートル、砂利は59立方メートルを施行したにすぎない。 | |||||||
(127) | 群馬県 | ||||||
勢多郡粕川村広域簡易水道新設事業 | 粕川村 | 39 | 42,000,000 | 10,500,000 | 1,715,000 | 428,750 | |
配水管布設に伴う道路復旧延長2,039メートルは、掘さく土1,740立方メートルのうち1,327立方メートルを捨土し、その埋めもどしは下層に掘さく土413立方メートル、上層に切込砂利1,302立方メートルを施行したこととしているが、実際は切込砂利は346立方メートル程度を施行したにすぎない。 | |||||||
(128) | 徳島県 | ||||||
勝浦郡勝浦町中山横瀬地区簡易水道新設事業 | 勝浦町 | 39 | 15,373,000 | 3,843,250 | 2,861,000 | 715,250 | |
配水池の側壁、底版等のコンクリート80立方メートルは配合比1:2:4で施行したこととしているが、実際は配合の悪い粗悪なもので施行し、そのつき固めも不十分であったため、コンクリートとしての強度が著しく低下し、すでに側壁の数箇所から貯りゅう水が浸透している。 | |||||||
(129) | 大分県 | ||||||
直入郡荻町荻地区簡易水道拡張事業 | 荻町 | 40 | 21,122,345 | 5,280,586 | 2,876,000 | 719,000 | |
配水池3箇所の側壁、底版等のコンクリート75立方メートルは配合比1:2:4で施行したこととしているが、実際は水を多量に使用した配合の悪い粗悪なもので施行したばかりでなく、冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったため、コンクリートとしての強度が著しく低下し容易に破砕される状況である。 | |||||||
(130) | 同 | ||||||
宇佐郡宇佐町水の神地区簡易水道新設事業 | 宇佐町 | 40 | 8,796,000 | 2,199,000 | 1,291,000 | 322,750 | |
配水池の側壁、底版等のコンクリート29立方メートルは配合比1:2:4で、また、送水管および配水管の防護コンクリート20立方メートルは配合比1:3:6で施行したこととしているが、実際はいずれも配合の悪い粗悪なもので施行し、そのつき固めおよび養生も不十分であったため、コンクリートとしての強度が著しく低下し容易に破砕される状況である。 | |||||||
計 | 177,901,345 | 44,473,836 | 10,538,000 | 2,634,500 |
(2) 国立公園等施設整備費補助金
(131)−(132) 昭和39、40両年度において都道府県が事業主体となって施行した国立公園等施設に対する国庫補助金の経理に関し、北海道ほか26都府県の工事現場141箇所のうち73箇所について検査したところ、工事の施行が不良なため補助の目的を達していないものがあり、国庫補助金を除外すべきことの判明したもので除外すべき額1工事10万円以上のものが栃木ほか2県(注) において4工事1,610,000円となっており、このうち国庫補助金を除外すべき額1工事20万円以上のものをあげると次表のとおり2件1,220,000円である。
(注) 栃木、宮崎、広島各県
県名 工事名 |
事業主体 | 事業年度 | 工事費 | 左に対する国庫補助金 | 補助工事費から除外すべき額 | 左に対する国庫補助金 | |
円 | 円 | 円 | 円 | ||||
(131) | 栃木県 | ||||||
日光国立公園男体道路改良事業 | 栃木県 | 39 | 18,560,000 | 9,280,000 | 1,293,000 | 646,500 | |
道路延長494メートルの改良にあたり、土留練積石垣563平方メートルは控35センチメートルの雑割石を使用し、胴込コンクリート平方メートル当り0.18立方メートル総量101立方メートル、裏込コンクリート平方メートル当り0.15立方メートルまたは0.35立方メートル総量117立方メートルを配合比1:3:6で施行したこととしているが、実際は胴込および裏込コンクリートは冬期間の施行であるにもかかわらず養生が不十分であったため凍結し、容易に破砕される状況である。 | |||||||
(132) | 宮崎県 | ||||||
霧島屋久国立公園えびの園地事業 | 宮崎県 | 39 | 5,500,000 | 2,750,000 | 1,147,000 | 573,500 | |
歩道延長632メートルの新設にあたり、路側から積石垣470平方メートルおよびから石張側溝390平方メートルはいずれも控20センチメートルのぐり石を使用し、胴込および裏込砂利平方メートル当り0.3立方メートルまたは0.303立方メートル総量259立方メートルを施行したこととしているが、実際はぐり石は規格に満たないものを多量に使用し、石積、石張ともその施行が粗雑となっているばかりでなく、胴込および裏込砂利は全く施行しておらず、から積石垣およびから石張側溝としての強度が著しく低下しており、すでに各所に崩壊を生じている。 | |||||||
計 | 24,060,000 | 12,030,000 | 2,440,000 | 1,220,000 |