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  • 昭和40年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第8 運輸省|
  • 不当事項|
  • 工事

直轄工事の施行が不良なもの


(298)−(299) 直轄工事の施行が不良なもの

 (一般会計) (組織)運輸本省 (項)空港整備事業費

 (港湾整備特別会計) (港湾整備勘定) (項)港湾事業費

 第二、第三両港湾建設局で、工事の施行にあたり、監督および検査が当を得なかったため施行が設計と相違していて設計に比べて工事の効果が低下していると認められるものが次のとおりある。

(298)  第二港湾建設局で、昭和40年4月、指名競争契約により東洋建設株式会社に宮古港神林木材港防波堤(C区およびF区)築造工事を19,950,000円で、また、41年1月、随意契約により同会社に宮古港神林防波堤E区、F区上部コンクリート工事を11,000,000円で請け負わせ施行し、40年11月および41年3月、いずれも設計どおりしゅん功したものとして検収を了しているが、防波堤の上部コンクリートを設計と相違して施行したため、その強度が設計に比べて著しく低下していると認められる。
 本件両工事は、宮古港神林地区の防波堤を築造するため39、40両年度に施行した基礎ブロックまたはケーソンの上部工として場所打コンクリートC区延長30メートル247立方メートル、E区延長54メートル446立方メートル、F区延長100メートル2,038立方メートル計2,732立方メートル等を施行するもので、設計書および仕様書によると、場所打コンクリートは立方メートル当りセメント253キログラム配合のもので施行することとなっているのに、実際はC区およびF区の全量ならびにE区のうち延長10メートル82立方メートル計2,368立方メートル(工事費10,878,620円)は、コンクリートの練混ぜおよびつき固めがきわめて不十分であったため、モルタルと粗骨材とが分離して内部に多くの空げきを生じており、コンクリートとしての強度が設計に比べて著しく低下していると認められる。

(299)  第三港湾建設局で、昭和40年11月、指名競争後の随意契約により株式会社鴻池組に93,050,000円で請け負わせ施行した大阪国際空港A滑走路14側エプロン等改修工事は、41年3月、設計どおりしゅん功したものとして検収を了しているが、排水路のコンクリートブロックから積護岸を設計と相違して施行したため、その強度が設計に比べて著しく低下していると認められる。
 本件工事は、既設のA滑走路14側エプロン舗装11,876平方メートルおよび外周排水路護岸延長1,246メートル2,022平方メートル等を施行するもので、設計書および図面によると、護岸は控36センチメートルのコンクリートブロックを使用し、胴、裏込として切込砕石平方メートル当り0.36立方メートルまたは0.74立方メートル総量829立方メートルを施行することとなっているが、うち右岸延長341メートル819平方メートル(工事費3,149,000円)は、護岸施行箇所背後の地山法面を設計より平均35センチメートル余分に切り取り、しかも、ブロック積の施行にあたり、その埋めもどし土および胴、裏込め切込砕石のつき固めがきわめて不十分であったため、ブロック積の上部は背後に傾斜し、下部ははらみ出しており、崩壊のおそれがあると認められる。