(郵政事業特別会計)
昭和42年度歳入歳出決算額は、歳入5059億3356万余円、歳出4968億4983万余円で、歳入決算額のうちおもなものは、受託業務収入1878億1598万余円、業務収入1806億0667万余円、歳出決算額のうちおもなものは業務費3616億1808万余円である。
42年度の損益は、受託業務収入1878億1598万余円、郵便業務収入1731億1135万余円等の収益3761億8043万余円、郵便費1358億0972万余円、総係費782億2203万余円、為替貯金費608億2358万余円、保険年金費491億7361万余円等の損失3657億7071万余円で、差引き104億0972万余円の利益を生じたが、これは翌年度において積立金として積み立てることとしている。
しかして、42年度の利益は前年度の利益23億2366万余円に比べて80億8606万余円の増加となっているが、これは、主として前年度では固定資産の再評価を実施してこれに伴う減価償却修正額68億7564万余円を損失に計上したことによるものである。
検査の結果、別項記載のとおり、職員の不正行為により国に損害を与えたもの がある。
(郵政事業特別会計)
(郵便貯金特別会計)
(簡易生命保険及郵便年金特別会計)
六郷ほか35郵便局で、関係職員により繰替払現金をほしいままに領得されたものが1事項5万円以上のもので37事項18,748,727円(うち昭和43年9月末現在補てんされた額12,553,031円)ある。
これらは、上記各郵便局において、
(ア) 窓口事務担当の内務員が現金受払事務に従事中、料金別納郵便物料金、通常郵便貯金等の預入金を受領しながら受入処理をしないで領得し、または通常郵便貯金払いもどし金受領証を偽造して資金を領得したもの
(イ) 貯金、保険担当の外務員が郵便貯金の集金および簡易生命保険保険料の収納事務等に従事中、定額郵便貯金等の預入金、簡易生命保険保険料を受領しながらその全部もしくは一部について受入処理をしないで、または簡易生命保険満期保険金を内務員から受領しながら受取人に交付しないで領得したもの
などである。
これら不正行為に対しては当局においてもその防止に努めてはいるが、なお上記のような事例、とくに不正行為期間が長期にわたるものがあるのは遺憾である。
前記37事項のうち1事項50万円以上のもので43年9月末現在補てん済みとなっていないものをあげると次表のとおり3件7,232,183円である。
庁名 | 不正行為をした職員 | 不正行為期間 | 不正行為金額 | 補てんされた額 (43.9.30現在) |
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(221) | 東京郵政局管内 六郷郵便局 |
出納員 事務員 |
年月 41.12から 42.6まで |
円 788,955 |
円 195,000 |
酒井某 | |||||
同人が窓口で現金受払事務に従事中、各庁歳入金等を受領しながら受入処理をしないなどの方法により領得したものである。 | |||||
(222) | 広島郵政局管内 小野田郵便局 |
出納員 郵政事務官 |
42.1から 43.6まで |
1,917,635 | 536,000 |
石川某 | |||||
同人が貯金課外務員として郵便貯金の募集および集金事務に従事中、定額郵便貯金等の預入金を受領しながら受入手続をしないなどの方法により領得したものである。 | |||||
(223) | 熊本郵政局管内 野母崎郵便局 |
出納員 郵政事務官 |
33.1から 42.11まで |
4,525,593 | 305,487 |
佐藤某 | |||||
同人が窓口の現金受払事務等に従事中、通常郵便貯金払いもどし金受領証を偽造するなどの方法により資金を領得し、または定額郵便貯金等の預入金を受領しながら預入報告をしないなどの方法により領得したものである。 | |||||
計 | 7,232,183 | 1,036,487 |