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  • 昭和42年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項

日本航空株式会社


第30 日本航空株式会社

 日本航空株式会社の昭和42営業年度末の資本金は269億0500万円(うち政府出資156億円)で、前営業年度末に比べて44億8400万円増加している。

(事業概要について)

 42営業年度における定期航空運送事業は、アエロフロート(ソ連国営航空)との共同運航による東京−モスクワ線のほか4線を開設し、既設路線についても増便を行なっている。

 42営業年度の旅客輸送についてみると、国際線では輸送能力67億2419万余座席キロ(座席数に区間距離を乗じたもの)に対し輸送量36億5940万余人キロ(旅客数に区間距離を乗じたもの)で、座席利用率は54.4%となっており、国内線では28億2883万余座席キロに対し18億8082万余人キロで、座席利用率は66.5%となっている。しかして、これを前営業年度の実績に比べると、輸送能力では国際線24.4%、国内線13.9%、輸送量では国際線24.0%、国内線39.7%の増加となっている。

 また、貨物の輸送量は1億6159万余トンキロで、前営業年度に比べて3638万余トンキロ(29.0%)の増加となっている。

 42営業年度末における所有航空機数は、年度中に長距離用ジェット機ダグラスDC−8型1機、中距離用ジェット機ボーイング727型2機、レシプロ機ビーチクラフト8機を購入し、一方、ボーイング727型1機、ビーチクラフト2機等を売り払ったなどのため47機(うち訓練機9機)となっている。また、前営業年度に引き続き日本国内航空株式会社からボーイング727型2機を賃借している。

 42営業年度における航空機材および地上施設に対する設備投資額は243億7020万余円で、前営業年度に比べて62億3393万余円増加している。

(資金について)

 42営業年度の所要資金1130億4085万余円については、前営業年度からの繰越金145億3424万余円、政府出資金26億円、民間出資金18億8400万円、米国輸出入銀行等からの借入金47億3088万余円、営業収入838億1597万余円等を充当している。

(損益について)

 42営業年度の損益は、経常損益においては営業収益845億3450万余円、営業外収益10億9146万余円計856億2597万余円の収益に対し、営業費用711億1999万余円、営業外費用42億4123万余円計753億6122万余円の費用で、差引き102億6474万余円の利益を生じたが、これから航空機特別償却引当金繰入額40億7840万余円、航空機特別償却額49億8725万余円計90億6566万余円の特別損失および税金引当額4億5500万円を差し引き当期利益金は7億4408万余円となっており、これを前営業年度に比べると2億7082万余円の増加となっている。なお、42営業年度における経常利益を路線別についてみると、国際線では56億3202万余円、国内線では46億3272万余円となっており、前営業年度に比べて、国際線では8億7385万余円、国内線では39億1789万余円増加している。

 42営業年度においては、航空機材について、前営業年度に引き続き租税特別措置法(昭和32年法律第26号)の規定による海外取引割増償却を行なうとともに特別償却を実施しており、42営業年度末における償却累計率は53.3%(対前年度17.9%増)となっている。