昭和４３年度決算検査報告
中小企業金融公庫の昭和４３年度末の資本金は２５２億１０００万円で、前年度末に比べて３億円増加している。
４３年度の事業計画は、当初、貸付け２７７５億円、出資３億円で、その後貸付けは３１６５億円になった。これに対し、実績は、貸付け３１９２億１３７１万円、出資３億円になっている。これらの原資については、政府出資金３億円、資金運用部資金の借入金１４４２億円、簡易生命保険及郵便年金積立金の借入金１００億円、債券発行による収入金３９７億４０００万円および回収金等１２５２億７３７１万円を充当している。
貸付実行額を貸付方式別にみると、直接貸付１１９７億３９２０万円（３７．５％）、代理貸付１９９４億７４５１万円（６２．５％）になっている。また、これを資金使途別にみると、設備資金２４７６億８８３４万余円（７７．６％）、運転資金７１５億２５３６万余円（２２．４％）になっている。
貸付実行額から回収額２１３２億６８５６万余円および滞貸償却額７５９６万余円を差し引いた年間純増加額は１０５８億６９１７万余円であり、年度末貸付残高は６３５９億１０５６万余円になっている。
４３年度末において弁済期限を６箇月以上経過した元金延滞額は５１億５６３７万余円（うち１年以上延滞のもの４１億０７３６万余円）で、前年度末に比べて５億８４４１万余円（１年以上延滞のものでは２億７７９０万余円）増加している。
出資３億円は、東京、名古屋、大阪各中小企業投資育成株式会社に対しそれぞれ１億円を出資したもので、この結果、４３年度末における各中小企業投資育成株式会社に対する出資額は、それぞれ３億５０００万円になっている。
環境衛生金融公庫の委託を受けて、４３年度中に環境衛生関係営業資金を貸し付けたものは５７億１０７３万円で、年度末貸付残高は５６億４７８２万余円になっている。
４３年度においては、貸付金利息４６１億８０１３万余円等の利益４８９億８２１０万余円、借入金利息２５０億１０７６万余円、債券利息１０２億２００４万余円、業務委託費７２億７２６８万余円、事務費３１億８４５４万余円、滞貸償却引当金繰入２０億２６６１万余円等の損失４８９億８２１０万余円で、利益損失同額になっていて、利益金を生じなかったので国庫納付金はなかった。