北海道東北開発公庫

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第８　北海道東北開発公庫

　北海道東北開発公庫の昭和４３年度末の資本金は６５億円で、前年度末に比べて５億円増加している。

（事業概要について）

　４３年度の事業計画は、当初、貸付け４０５億円、出資５億円計４１０億円で、その後、貸付け４３３億９０００万円、出資４億１０００万円計４３８億円になった。これに対し、実績は、貸付け４３４億９０００万円、出資３億１０００万円計４３８億円になっている。これを地方別にみると、北海道は２０８億３０００万円、東北地方は２２９億７０００万円である。これらの原資については、政府出資金５億円、簡易生命保険及郵便年金積立金の借入金２０億円、債券発行による収入金２５３億３４２５万円および回収金等１５９億６５７５万円を充当している。
　貸付実行額を業種別にみると、そのおもなものは次のとおりである。

　出資実行額のうち、１億６０００万円は苫小牧港開発株式会社に対する出資で、同会社が臨海鉄道敷設の資金を調達するため行なった増資に対し払い込んだものであり、１億５０００万円は４３年１２月に設立された株式会社北海道熱供給公社に対する出資で、同会社の地域暖房設備資金として払い込んだものである。
　貸付けおよび出資実行額から回収額２７５億２１３７万余円、滞貸償却額１億０９０４万余円を差し引いた年間純増加額は１６１億６９５７万余円であり、年度末残高は１５９３億５７１７万余円（うち出資１２億２５５０万円）になっている。
　４３年度末において弁済期限を６箇月以上経過した元金延滞額は２２億００９５万余円（うち１年以上延滞のもの１４億５３３４万余円）で、前年度末に比べて３億３９３１万余円（１年以上延滞のものでは３億０９１７万余円）増加している。
　４３年度末現在の出資先は苫小牧港開発株式会社ほか１１会社で、当期利益金を計上したもの１０会社（うち利益配当を行なったもの３会社）、設備を建設中で操業を開始していないもの１会社、営業不振で操業を停止しているもの１会社になっている。

（損益について）

　４３年度においては、貸付金利息１１７億４００５万余円等の利益１４０億１３２７万余円、債券利息１０２億７７５８万余円、借入金利息１０億１２６７万余円、事務費６億４３８４万余円、滞貸償却引当金繰入１４億２７２１万余円等の損失１４０億１３２７万余円で、利益損失同額になっていて、利益金を生じなかったので国庫納付金はなかった。