水資源開発公団の昭和43事業年度末の資本金は10億円(全額政府出資)である。
43事業年度においては、前事業年度に引き続き、利根川水系における下久保ダム、草木ダム、利根導水路、利根川河口堰各建設事業および群馬用水、印旛沼開発両事業、淀川水系における高山、青蓮寺両ダム建設事業および正蓮寺川利水事業、吉野川水系における早明浦ダム建設事業ならびに筑後川水系における両筑平野用水事業を実施したほか、新たに、吉野川水系における香川用水事業を総事業費102億円の計画で着手している。
なお、印旛沼開発事業は44年3月176億8815万余円で、利根導水路建設事業は建設省に委託した引堤工事等を除いて44年3月182億2520万余円でそれぞれ工事を完了した。また、43年10月愛知用水公団の事業を承継し、愛知用水事業および豊川用水事業の管理業務を実施している。愛知用水事業における愛知用水ほか2土地改良区の建設負担金の未収金は、42事業年度末に42億3136万余円あった。しかして、43事業年度中に受益農地の変更に伴う余剰水を水道用水に振り替えるなどの処置を講じたが、なお、同事業年度末で33億2224万余円が未収になっている。
しかして、43事業年度における建設事業実施額は、ダム等建設事業180億3282万余円、用水路等建設事業126億4714万余円計306億7997万余円の計画に対し、ダム等建設事業139億6773万余円、用水路等建設事業88億1712万余円計227億8485万余円になっている。
43事業年度の所要資金488億8592万余円については、前事業年度からの繰越金152億2758万余円、治水特別会計からの交付金78億4800万余円、国庫補助金32億0952万余円、資金運用部資金の借入金90億円、債券発行による収入金38億7381万円、建設負担金等収入44億0268万余円、水道事業者等の負担金収入13億9800万余円、受託業務収入24億1888万余円等を充当している。
43事業年度の損益は、管理業務収入4億4015万余円、受託業務収入79億9222万余円、利息収入19億6307万余円等の収益104億1010万余円、管理業務費4億3746万余円、受託業務費79億9145万余円、支払利息19億2421万余円等の費用103億9990万余円で、差引き1019万余円の利益になっている。