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  • 昭和43年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項

日本航空株式会社


第25 日本航空株式会社

 日本航空株式会社の昭和43営業年度末の資本金は322億8600万円(うち政府出資172億2000万円)で、前営業年度末に比べて53億8100万円増加している。

(事業概要について)

 43営業年度における定期航空運送事業は、ニューヨーク−パリ線、バンクーバー線等の新線を開設し、既設路線についても増便を行なっている。
 43営業年度の旅客輸送についてみると、国際線では、輸送能力89億9113万余座席キロ(座席数に区間距離を乗じたもの)に対し、輸送量は46億6984万余人キロ(旅客数に区間距離を乗じたもの)で、座席利用率は51.9%になっている。また、国内線では、輸送能力30億0127万余座席キロに対し、輸送量は22億7064万余人キロで、座席利用率は75.6%になっている。しかして、これを前営業年度の実績に比べると、輸送能力では、国際線33.7%、国内線6.0%、輸送量では、国際線27.6%、国内線20.7%の増加になっている。
 43営業年度における貨物の輸送量は2億4269万余トンキロで、前営業年度に比べて8110万余トンキロ(50.1%)増加している。
 所有航空機数をみると、43営業年度首においては47機であったが、同営業年度中にダグラスDC−8型9機、ボーイング727型1機、ビーチクラフト2機を購入し、一方、ダグラスDC−6B型3機を売り払ったので、同営業年度末においては56機(うち訓練専用機11機)になっている。なお、これらのほか、日本国内航空株式会社ほか1会社からボーイング727型5機を賃借している。
 43営業年度における航空機材および地上施設に対する設備投資額は395億9193万余円で、前営業年度に比べて152億2172万余円増加している。

(資金について)

 43営業年度の所要資金1571億8058万余円については、前営業年度からの繰越金159億3182万余円、政府出資金28億7000万円、民間出資金25億1100万円、米国輸出入銀行等からの借入金254億1175万余円、営業収入1091億9788万余円等を充当している。

(損益について)

 43営業年度の損益は、経常損益においては営業収益1070億5179万余円、営業外収益17億6199万余円計1088億1379万余円の収益に対し、営業費用889億5261万余円、営業外費用57億9745万余円計947億5007万余円の費用で、差引き140億6371万余円の利益になっている。これに海外取引割増償却準備金戻入額8億8861万余円の特別利益を加え、海外取引割増償却準備金繰入額129億9897万余円の特別損失および税金引当額7億5000万円を差し引いた当期利益金は12億0335万余円になっている。これは前営業年度に比べて4億5927万余円の増加である。なお、43営業年度における経常利益を路線別にみると、国際線では65億6628万余円、国内線では74億9742万余円になっている。これは前営業年度に比べて、国際線では9億3426万余円、国内線では28億6470万余円の増加である。