(昭和45年10月30日付け45検第313号 厚生大臣あて)
北海道および山形県管内の市町村が昭和44年度に厚生省から国庫補助金の交付を受けて実施した簡易水道事業について、水道管布設工事費の積算の実態を調査したところ、砂川市ほか20市町村が実施した23事業(総事業費は8億2724万余円、これに対する国庫補助金は2億1242万余円で、一部43年度分を含む。)において、次のように工事費の積算が適切でないと認められる点があった。
すなわち、これら23事業では、水道管延長197,432mを布設するための掘削149,811m3
(事業費相当額1億3972万余円)をすべて人力によって施工することとして工事費を積算しているが、これらの掘削箇所のうちには、現地の状況などからみて機械を使用すれば相当経済的に施工できると認められる部分が130,509m、112,925m3
も含まれているので、この部分については、機械を使用して施工することとして工事費を積算すべきであったと認められる。
このような事態を生じているのは、厚生省が、水道管布設工事における機械掘削施工に関して適切な歩掛等を示していないことによると認められる。
ついては、簡易水道事業は今後も多数実施されることが見込まれているのであるから、上記の事態にかんがみ、機械掘削施工に関する積算基準を整備するとともに、その具体的運用についての指導の徹底を図り、工事の経済的な施行を図る要があると認められる。