公共事業関係補助事業の実施および経理が不当と認められるもの

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（１０）-（６７）　公共事業関係補助事業の実施および経理が不当と認められるもの

　上記の５８補助事業において、工事の監督および検査が適切でなかったため、施工が設計と相違していたり、事業費の精算が過大になっていたりしていて、国庫補助金５７，０００，１７３円が不当と認められる。
　これは、北海道ほか３５県で全国の工事箇所５６，５９７のうち５．７％に当たる３，２３４（工事費３９，１５９，２３１，２９３円、国庫補助金２２，４３７，５２８，１３２円）について検査した結果である。
　いま、これを道県別に掲げると別表のとおりである。

（注） 　東北、関東、北陸、近畿、中国四国、九州各農政局および青森、新潟、福井、長崎各県

（説明）

　この補助金は、土地改良、治山施設、林道開設、海岸保全施設および災害復旧等の公共事業を行なう地方公共団体、土地改良区等に交付されるものである。
　しかして、前記の５５事業主体においては、事業の実施にあたって、建設業者に請け負わせまたは直営によって工事を施行していた。そして、監督および検査が適切でなかったため工事が設計どおり施工されなかったのに設計どおり施工されたものとして処理したり、実際の事業費より高額な事業費を要したことにして過大に精算したりなどしていた。
　いま、前記の５８工事について不当の態様別に説明すると次のとおりである。

１　工事の施行にあたり、設計と相違して施工しているもの

（１）　コンクリートの施工が主体になっている工事について

　井堰、水路等の施工にあたって、砂を多量に使用して設計より配合が悪いコンクリートで施工したなどのため、設計に比べて強度が低くなっているもの

（２）　石積みおよび石張りの施工が主体になっている工事について

　石積みおよび石張りの施工にあたって、胴込めや裏込めのコンクリートを設計より配合が悪いもので施工したり、設計より少なく施工したり、石の積み方や張り方を粗雑にしたりしているものなど

（３）　その他

山腹工の暗渠、農道等の施工にあたって、中詰栗石、路盤用砂利を設計より少なく施工しているものなど

２　事業費の精算が過大になっているものなど

（１）　草地改良および開墾事業の施行にあたって、事業の実施に要した費用より高額な事業費を要したことにして、事業費を過大に精算しているもの

（２）　開拓地土壌改良事業等の施行にあたって、土壌改良資材を購入し受益者に配付しただけで散布されていないものなど