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  • 昭和44年度|
  • 第2章 国の会計|
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  • 第6 運輸省|
  • 意見を表示しまたは処置を要求した事項

航空交通管制自動化システムの保守請負契約について処置を要求したもの


航空交通管制自動化システムの保守請負契約について処置を要求したもの

(昭和45年11月21日付け45検第367号 運輸大臣あて)

 運輸省では、東京航空交通管制部における航空交通管制業務の自動処理化を図る目的で購入した電子計算装置(NEAC2200シリーズ)の保守を、昭和44年9月以降、同装置の製造業者に請け負わせ、45年8月分までの保守料金として45年9月までに9162万余円(うち44年度分5424万余円)を支払っている。

 しかして、上記保守料金の月額料金は、本件装置一式について、その1箇月当りの使用時間が200時間までの場合を基本料金とし、それをこえて使用する場合はその時間に応じて超過料金を支払うことにしている。
 これは、国産電子計算装置の唯一のレンタル専門業者である日本電子計算機株式会社が電子計算装置の保守を製造業者に委託したとき製造業者に支払う保守費の算定方式(以下「JECC方式」という。)をほとんどそのまま準用したもので、上記の基本料金はJECC方式の場合と同一のものとなっている。しかし、使用時間に応じて変動する超過料金の計算内訳についてみると、JECC方式では、電子計算装置を構成する機器ごとに定められている保守単価に、機器ごとの使用時間を乗じて計算することになっているのに対して、本件契約では、電子計算装置の主要機器である中央処理装置の使用時間をもって本件装置一式の使用時間とみなし、これに上記の保守単価を乗じている。

 しかして、本院において東京航空交通管制部の業務資料により本件電子計算装置の機器別の使用状況を調査したところ、中央処理装置以外の大部分の機器の使用時間は、中央処理装置の使用時間を相当下回っていた。したがって、上記のように中央処理装置の使用時間をもって本件装置一式の使用時間として月額料金を算定したのは適切でなく、仮に、機器別に本件保守料金を計算したとすれば相当額の経費が節減できたと認められる。
 ついては、本件電子計算装置の保守業務は、今後も継続するのであるから、仮に上記の算定方式を採用する以上は少なくとも支払対象の使用時間を機器別に算定するなど保守料金の算定について十分検討のうえ経済的な実施を図る要があると認められる。