公共事業関係補助事業の実施および経理が不当と認められるもの

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（９９）−（１４９）　公共事業関係補助事業の実施および経理が不当と認められるもの

　　上記の５１補助事業において、工事の監督および検査が適切でなかったため施工が設計と相違していたり、設計内容の審査が的確に行なわれていなかったため工事費の積算が過大になっていたりなどしていて、国庫補助金５２，７７７，１３７円（一部未交付分を含む。）が不当と認められる。このうち、１８，８４５，９９７円は道路整備特別会計の分（１４工事）、７，２２３，０５７円は治水特別会計治水勘定の分（５工事）である。
　これは、北海道ほか３５都府県で全国の工事箇所８４，７８６のうち８．５％に当たる７，２０８（工事費１４９，４９６，１５３，６２１円、国庫補助金８５，２４２，０３３，４８９円）について検査した結果である。
　いま、これを都道府県別に掲げると別表のとおりである。

（説明）
　この補助金は、公共土木施設の新設、改良および災害復旧等の公共事業を行なう地方公共団体に交付されるものである。
　しかして、前記の３７事業主体においては、工事の監督および検査が適切でなかったため工事が設計どおり施工されなかったのに設計どおり施工されたものとして処理したり、工事数量を誤って過大に計上したりなどしていた。
　いま、前記の５１工事について不当の態様別に説明すると次のとおりである。

１　工事の施行にあたり、設計と相違して施工しているもの

（１）　コンクリートブロック積みおよび石垣工事について

　護岸のコンクリートブロック積みおよび石垣の胴込め、裏込めコンクリートの施工にあたって、土混りの骨材や多量の水を使用して施工したり、つき固めが十分でなかったためモルタルと粗骨材が分離したり、養生が十分でなかったため凍結したりしているものなど

（２）　コンクリート工事について

　土留め擁壁や床止め等の施工にあたって、多量の水を使用したり、養生や締固めが十分でなかったりしたなどのため強度が低くなっているものなど

（３）　道路舗装工事について

　道路舗装の施工にあたって、アスファルトコンクリートを転圧する際の施工管理が適切でなかったため路面にき裂を生じているもの、路盤の厚さが不足しているものなど

（４）　その他

　公園施設の新設にあたって、運動場等の盛土を設計より少なく施工したり、設計と異なる材料で施工したりしているもの、護岸鉄線じゃかごの施工にあたって、設計と異なる法勾配で施工したため護岸としての効果が著しく減殺されているものなど

２　工事費の積算が過大になっているものなど

　道路改良工事の施工にあたって、土工数量の計算を誤って捨土量を過大に計上しているもの、道路舗装工事の施工にあたって、在来路盤の土質調査が十分でないままアスファルト舗装を施工したため表層にき裂を生じているものなど