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  • 昭和44年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 会計事務職員に対する検定

出納職員に対する検定


第1 出納職員に対する検定

(概況)

 昭和44年11月から45年10月までの間に、出納職員が現金を亡失した事実について所管庁から報告を受理したものは103件26,567,686円であり、これに繰越し分16件7,711,834円を加え、処理を要するものは119件34,279,520円である。 そのうち上記の期間内に処理をしたものは113件29,669,041円であり、また、処理を要するものおよび処理をしたものの所管別内訳は次表のとおりである。

出納職員に対する検定の図1

 処理をしたもののうち出納職員に弁償責任があると検定したものは2件849,347円、出納職員に弁償責任がないと検定したものは14件2,743,882円である。 その他の97件26,075,812円は、出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額がすでに補てんされているもの85件19,764,515円、出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額について国と出納職員との間に裁判上の和解が成立しているもの3件1,912,081円などである。

(検定したものの説明)

 弁償責任があると検定したものは郵政省の2件849,347円で、その概要は次のとおりである。

(1) 松山郵政局管内徳島勝占郵便局分任繰替払等出納官吏鈴木某が、昭和43年12月29日午後5時ごろ、補助者郵政事務官浜某から当日の現金残高についての報告を受けた後、自らはその残高を確認せず、同補助者に日締決算事務の処理と予備かぎによる金庫の施錠を依頼して退局したところ、その後同補助者が金庫に施錠しないまま日締決算事務に従事中、職員出入口から侵入した部外者に繰替払現金669,428円を強取された。

 これについて審理したところ、鈴木出納官吏は、日締決算事務の終了前に退局する場合には留置現金の有高を自ら確認し、金庫に格納のうえ施錠し、別途その金額を補助者に告げるべきであったと認められ、また、同出納官吏は平素から補助者に金庫の予備かぎを所持させ使用させているが、予備かぎは本かぎと同様に厳重に保管すべきものであり、とくに本郵便局のように夜間無人となる局にあっては、事務終了後は予備かぎについても本かぎの取扱いと同様に出納官吏が自宅に保管すべきであったと認められる。そして、同出納官吏が退局に際して金庫に現金を格納して施錠し予備かぎを自宅に保管していたならば、当時の状況からみて現金を強取されることはなかったと認められるから、本件亡失は、出納官吏として善良な管理者の注意を怠ったことによるものと認めたものである。

(2) 東京郵政局管内京橋郵便局出納員望月某が、昭和42年3月22日から4月14日までの間に、局外で集金した簡易生命保険保険料等179,919円をほしいままに領得したものである。

 つぎに、弁償責任がないと検定したものは、郵政省の12件2,565,616円および労働省の2件178,266円であり、金庫が破壊されるなどして保管していた現金を窃取されたものであるが、いずれも出納職員として善良な管理者の注意を怠ったことによるものではないと認めたものである。