昭和44年度の貸付計画は、当初4418億8600万円であったが、その後の改訂により4888億8600万円になった。これに対し、貸付実行額は4736億3196万余円で、前年度に比べて600億9357万余円増加している。この原資には、資金運用部資金の借入金2185億円、簡易生命保険及郵便年金積立金の借入金150億円および回収金等2401億3196万余円を充当している。
貸付実行額のうち、普通貸付は4460億0298万余円で前年度に比べて616億4733万余円増加しており、恩給担保貸付は242億5293万余円で26億2947万余円減少している。なお、44年7月、普通貸付の貸付限度を従前の300万円から500万円に引き上げている。
貸付実行額から回収額3713億6492万余円および滞貸償却額1億3107万余円を差し引いた年間純増加額は1021億3596万余円であり、年度末貸付金残高は152万余件5902億2982万余円(うち代理貸付は16万余件611億8195万余円)になっている。このうち、最終弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は30億8440万余円で前年度末に比べて5億0222万余円増加している。この元金延滞額のうち14億6963万余円は更生資金貸付の分で、同貸付の年度末残高の99.9%になっている。
環境衛生金融公庫からの受託業務においては、44年度中の貸付額は446億6336万余円、回収額は167億5561万余円で、年度末貸付金残高は813億9725万余円になっている。
44年度において、利益は、貸付金利息449億7410万余円、雑収入14億5502万余円等477億0845万余円、損失は、借入金利息331億1238万余円、事務費77億8397万余円、業務委託費17億2056万余円等滞貸償却引当金繰入前で446億4425万余円になり、差額30億6419万余円を滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入額は年度末貸付金残高の1000分の5.19に相当し、これを繰り入れた累積額199億3623万余円は年度末貸付金残高の100分の3.37になり、累積限度額の54.6%になっている。
44年度の総収益率は8.15%で、前年度に比べて0.14%上昇している。これは環境衛生金融公庫受託貸付の取扱いが増加したことに伴い、受託手数料の収入が増加したことなどによるものである。滞貸償却引当金繰入前の経費率は7.60%で前年度に比べて0.03%低下している。
これは貸付資金量が増加したことに伴い借入金利息率は上昇したが、事務経費率等が低減したことによるものである。また、滞貸償却引当金繰入率は0.55%になり、前年度に比べて0.17%上昇している。
なお、雑収入のうち環境衛生金融公庫からの受託手数料については、未収額3億7068万余円を益金に計上していない。