昭和44年度の貸付計画は2020億円である。これに対し、貸付決定額は1908億9112万余円で、そのおもなものは次のとおりである。
(農林漁業経営構造改善) | |
構造改善推進 | 122億7225万余円 |
土地取得 | 404億1445万余円 |
経営拡大改善 | 139億7128万余円 |
(基盤整備) | |
土地改良 | 549億7346万余円 |
林業 | 132億6217万余円 |
(一般施設) | |
漁船 | 107億6955万円 |
共同利用施設 | 101億0495万余円 |
貸付決定額を取扱い別にみると、都道府県信用農業協同組合連合会等委託金融機関扱い1431億2759万余円(75.0%)、公庫直接扱い477億6353万余円(25.0%)である。
44年度における貸付実行額は1898億9631万余円(うち前年度までの貸付決定分577億0660万余円)で、これから回収額643億7723万余円および滞貸償却額3375万余円を差し引いた年間純増加額は1254億8531万余円であり、年度末貸付金残高は8590億3552万余円になっている。このうち44年度末において弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は11億9110万余円(うち1年以上延滞のもの10億2462万余円)で、前年度末に比べて3億9304万余円(1年以上延滞のものでは3億2201万余円)減少している。
44年度中の資金交付額は1919億4725万余円である。この原資には、資金運用部資金の借入金1386億円、簡易生命保険及郵便年金積立金の借入金70億円および回収金等463億4725万余円を充当している。
44年度において、利益は、貸付金利息439億3553万余円、一般会計より受入98億2584万円等577億2084万余円、損失は、借入金利息424億8805万余円、業務委託費77億2233万余円、事務費19億2816万余円等滞貸償却引当金繰入前で562億2260万余円になり、差額14億9823万余円を滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入額は年度末貸付金残高の1000分の1.74に相当し、これを繰り入れた累積額103億4595万余円は年度末貸付金残高の100分の1.20になっている。
44年度の総収益率は6.35%で、一般会計より受入が増加したことなどにより前年度に比べて0.12%上昇している。滞貸償却引当金繰入前の経費率は6.16%で、借入金利息が増加したことなどにより前年度に比べて0.06%上昇している。また、滞貸償却引当金繰入率は0.19%になり、前年度に比べて0.06%上昇している。なお、利益のうちから一般会計からの受入額を除いた収益率は5.12%になり、上記の経費率を1.04%下回っている。