昭和44年度の貸付計画は、当初510億円であったが、その後の改訂により550億円になった。これに対し、貸付実行額は525億2464万余円で、前年度に比べて78億4859万余円増加している。この原資には、資金運用部資金の借入金510億円および回収金等15億2464万余円を充当している。
環境衛生金融公庫は貸付業務を国民金融公庫ほか2金融機関に委託していて、貸付実行額を委託先別にみると、国民金融公庫446億6336万余円(85.0%)、中小企業金融公庫72億0865万円(13.7%)、商工組合中央金庫6億5262万余円(1.3%)になっている。また、貸付実行額を資金使途別にみると、土地、店舗等資金255億5463万余円で前年度に比べて102億7251万余円増加し、衛生設備および近代化設備資金227億7303万余円、従業員宿舎等41億9696万余円で前年度に比べてそれぞれ15億0838万余円、9億1553万余円減少している。さらに、貸付実行額を業種別にみると、そのおもなものは、飲食店関係営業227億1308万余円、ホテル・旅館業92億3247万円で、前年度に比べて、それぞれ50億6860万余円、15億1972万余円増加している。
貸付実行額から回収額179億2229万余円を差し引いた年間純増加額は346億0235万余円であり、年度末貸付金残高は947億1538万余円になっている。このうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は1億2398万余円(うち1年以上延滞のもの6877万余円)で、前年度末に比べて8427万余円(1年以上延滞のものでは4758万余)増加している。
44年度において、利益は、貸付金利息65億1033万余円、一般会計より受入7億3405万余円等76億2231万余円、損失は、借入金利息50億8356万余円、業務委託費19億1760万余円、事務費1億2636万余円等滞貸償却引当金繰入前で73億7764万余円になり、差額2億4466万余円を滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入額は年度末貸付金残高の1000分の2.58に相当し、これを繰り入れた累積額4億5361万余円は年度末貸付金残高の100分の0.48になっている。
44年度の総収益率は8.96%、滞貸償却引当金繰入前の経費率は8.65%、滞貸償却引当金繰入率は0.31%になり、いずれも前年度とほぼ同率になっている。利益のうちから一般会計からの受入額を除いた収益率は8.03%になり、上記の経費率を0.62%下回っている。