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  • 昭和44年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 政府関係機関その他の団体別の事項

畜産振興事業団


第20 畜産振興事業団

(事業概要について)

(1) 畜産物の価格安定に関する業務

 昭和44事業年度における指定乳製品等の買入れおよび売渡しの業務において、ホエイパウダー2,721tを2億8144万余円で輸入し、前事業年度からの繰越し分を含め、ホエイパウダー2,567t、脱脂粉乳2,680t、全粉乳447tを9億2355万余円で売り渡している。このうち、脱脂粉乳および全粉乳は、長期の保管によって品質が低下したため、脱脂粉乳については飼料用として、また、全粉乳については規格外品として、とくに売り渡したものである。
 44事業年度末における輸入乳製品の保管量は、脱脂粉乳7,312t、ホエイパウダー464tになっており、たな卸資産価額は14億1846万余円になっている。保管中の脱脂粉乳のうち3,312tは、45年9月末現在において製造時からすでに2箇年余を経過していて品質低下のおそれがあると認められる。
 44事業年度には指定乳製品の価格が農林大臣の定めた安定指標価格を下回る状況であったので、価格の安定を図るため、全国酪農業協同組合連合会が44年11月から45年2月までの間に実施した指定乳製品の保管販売事業に対し保管経費を助成し、また、前事業年度に引き続き乳業者の申込みにより、45年2月および3月、国内産脱脂粉乳13,000t、バター3,899tを68億1566万余円で買い入れている。しかし、乳製品の価格は、これらの事業を実施したにもかかわらず、依然として低調に推移している。

(2) その他の業務

 助成業務においては、学校給食用牛乳供給事業に対し96億1040万余円、酪農安定対策特別事業等に対し4億9278万余円を補助したほか、社団法人宮城県肉用子牛価格安定基金協会等に1億7500万円を出資した。44事業年度末の出資先は37法人で、出資総額は18億5909万円になっている。
 このうち1億5000万円は、生乳の長距離輸送の円滑化を図ることを目的として設立された社団法人牛乳輸送施設リース協会に対して41年4月出資したものであるが、同協会の事業は、設立後4箇年を経過した45年3月末までに貯乳冷却施設等3箇所、ミルクタンクローリー6台を7270万余円で取得し貸し付けているにすぎない状況で、実施率は当初事業計画(貯乳冷却施設等5箇所、ミルクタンクローリー22台2億2000万円)の33%になっている。
 加工原料乳生産者補給交付金の交付業務においては、指定生乳生産者団体に対し、加工原料乳1,349,939tについての生産者補給金に充てるため87億6110万余円を交付した。

(損益について)

 44事業年度の損益は、利益342億6061万余円、損失361億5235万余円で、差引き18億9174万余円の当期損失金を生じている。これを勘定別にみると、一般勘定で3062万余円の純益金、輸入牛肉勘定で4614万余円、補給金等勘定で18億7622万余円の損失金をそれぞれ生じ、債務保証勘定および助成勘定では利益損失同額になっている。
 補給金等勘定の損失は42年度末から続いた乳製品価格の低落傾向に関連して輸入乳製品の取扱量および売買差益が前事業年度同様減少したことなどによるもので、44事業年度末の同勘定の繰越損失金は44億0855万余円になっている。