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  • 昭和45年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項|
  • 第4 農林省|
  • 不当事項|
  • 工事

直轄工事の施工が設計と相違しているもの


(14)−(15) 直轄工事の施工が設計と相違しているもの

(14) 会計名および科目 一般会計 (組織)農林本省(項)土地改良事業費
部局等の名称 東北農政局
工事名 小田川農業水利事業付替林道(その3)工事
工事の概要 林道延長2,349m、橋梁下部工およびコンクリート土留め擁壁等を施工する工事
工事費 74,910,000円
請負人 三幸建設工業株式会社
契約 昭和45年4月 指名競争契約
しゅん功検査 昭和45年11月
支払 昭和45年6月〜12月 3回

 この工事は、監督および検査が適切でなかったため、橋梁下部工(橋台、橋脚)および横断暗渠吐口土留め擁壁(工事費12,251,201円)の施工が設計と相違し、その強度が設計に比べて著しく低くなっていて工事の目的を達していないと認められる。

(説明)

 この工事の設計図面および仕様書によると、7号橋梁下部工(橋台2基、橋脚3基)、8号橋梁下部工(橋台2基、橋脚2基)および横断暗渠呑口、吐口の土留め擁壁のコンクリートは、1m3 当りセメント264kg 配合のもので施工し、いずれも材令28日の圧縮強度が1cm2 当り210kg でなければならないことになっていた。
 しかし、実際は、7号橋梁および8号橋梁の橋台4基、7号橋梁の橋脚3基の下部ならびに吐口の土留め擁壁の基礎部に打設されたコンクリートは、水を多量に使用し、締固めが十分でなかったなどのため、その圧縮強度が著しく低い粗悪なものとなっている。
 このため、橋台、橋脚および土留め擁壁(工事費12,251,201円)の強度が設計に比べて著しく低くなっていて、この工事はその目的を達していないと認められる。

(15) 会計名および科目 特定土地改良工事特別会計 (項)土地改良事業費
部局等の名称 東北農政局赤川農業水利事業所
工事名 赤川農業水利事業赤川頭首工エプロン保護工事(その3)
工事の概要 井堰の水たたき部770m2 をレジセメン(注) で被覆する工事
工事費 4,740,000円
請負人 大日本塗料株式会社
契約 昭和45年11月 随意契約
しゅん功検査 昭和46年3月
支払 昭和46年4月

 この工事は、監督および検査が適切でなかったため、施工が設計と相違し、被覆の効果が著しく低くなっていて目的を達していないと認められる。

(説明)

 この工事の設計図面および仕様書によると、井堰水たたき部コンクリート保護工770m2 は、水たたき部のコンクリートの摩耗を防止するため、コンクリートの表面を完全に乾燥させ、これにレジセメンを平均厚さ8mmに圧着仕上げして被覆することになっていた。
 しかし、実際は、乾燥および圧着仕上げが十分でなかったなどのため、被覆されたレジセメンは、コンクリート面から容易にはく離することができるばかりでなく、空げきが多い粗悪なものとなっているなど施工が設計と相違している。このため、水たたき部保護工(工事費4,740,000円)は、その効果が著しく低くなっていて目的を達していないと認められる。

(注)  レジセメン 合成樹脂(エポキシ樹脂)と硅砂を主成分とする被覆材