公共事業関係補助事業の実施および経理が不当と認められるもの

---

（１７）−（５３）　公共事業関係補助事業の実施および経理が不当と認められるもの

　上記の３７補助事業において、工事の監督および検査が適切でなかったため施工が設計と相違していたり、事業費の精算が過大になっていたりしていて、国庫補助金３０，９９２，０８１円が不当と認められる。
　これは、北海道ほか３５都府県で全国の工事箇所５３，５３０のうち４．８％に当たる２，５７９（工事費３２，６７２，４８６，９１９円、国庫補助金１８，０３７，０１３，４７５円）について検査した結果である。
　いま、これを道府県別に掲げると別表のとおりである。

(注) 　東北、関東、北陸、東海、近畿、中国四国各農政局および富山、山口両県

（説明）

　この補助金は、土地改良、治山施設、林道開設、海岸保全施設および災害復旧等の公共事業を行なう地方公共団体、土地改良区等に交付されるものである。
　しかして、前記の３５事業主体においては、事業の実施にあたって、建設業者に請け負わせまたは直営によって工事を施行していた。　そして、監督および検査が適切でなかったため工事が設計どおり施工されなかったのに設計どおり施工されたものとして処理したり、実際の事業費より高額な事業費を要したことにして過大に精算したりなどしていた。
　いま、前記の３７工事について不当の態様別に説明すると次のとおりである。

１　工事の施行にあたり、設計と相違して施工しているもの

(1)　コンクリートの施工が主体になっている工事について

　井堰、水路等の施工にあたって、砂または水を多量に使用して設計より配合が悪いコンクリートで施工したなどのため、設計に比べて強度が低くなっているものなど

19工事　不当と認めた国庫補助金　11,208,556円

(2)　石積みおよびコンクリートブロック積み等の施工が主体になっている工事について

　石積みおよびコンクリートブロック積み等の施工にあたって、胴込めや裏込めのコンクリートを設計より配合が悪いもので施工したり、設計より少なく施工したり、石の積み方を粗雑にしたりしているものなど

5工事　不当と認めた国庫補助金　2,468,837円

(3)　その他

　開畑等の施工にあたって、切土や深耕を設計より少なく施工しているものなど

6工事　不当と認めた国庫補助金　3,261,209円

２　事業費の精算が過大になっているものなど

(1)　開墾事業等の施行にあたって、事業の実施に要した費用より高額な事業費を要したことにして、事業費を過大に精算しているもの

4工事　不当と認めた国庫補助金　12,311,841円

(2)　開拓未利用地開発事業等の施行にあたって、補助の対象とならない既耕地のかんがい施設を含めて施工しているものなど

3工事　不当と認めた国庫補助金　1,741,638円