会計名および科目 | 一般会計 (組織)中小企業庁 (項)中小企業対策費 |
部局等の名称 | 東京ほか2通商産業局(注) |
助成の根拠 | 中小企業近代化資金等助成法(昭和31年法律第115号) |
事業主体 | 茨城県ほか6都府県 |
事業の内容 | 中小企業者に無利子で貸し付ける設備近代化資金の貸付け |
貸付先 | 中小企業者9名 |
貸付額の合計 | 26,270,000円(国庫補助金相当額13,135,000円) |
上記の9名に対する26,270,000円の貸付けにおいて、19,196,352円の貸付けが不当と認められ、ひいては国庫補助金相当額959万余円が補助の目的にそわない結果になっていると認められる。
(注) 東京、大阪、広島各通商産業局
(説明)
この事業は、都道府県が国の補助金と自己資金等によって資金を造成し、中小企業者に対して設備の近代化に必要な資金を無利子で貸し付けるものである。
この資金に充てるため、昭和45年度には、国庫補助金2,600,000,000円が都道府県に交付されている。
しかして、都道府県が行なった貸付けの適否および中小企業者の貸付金使用の状況を宮城県ほか21都府県について本院が調査したところ、前記の7都府県が行なった貸付けのうち26,270,000円において、貸付対象設備を購入していない者に貸し付けていたり、既往年度に設置している者に貸し付けていたりしているものなどが9事項19,196,352円あり、ひいては国庫補助金相当額959万余円が補助の目的にそわない結果になっていると認められた。
都府県名 | 貸付先 | 貸付対象 | 貸付対象事業費 (同上に対する貸付額) |
貸付対象として適切でない事業費 (同上に対する貸付金相当額) |
補助の目的にそわない結果になった国庫補助金相当額 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | |||||
(74) | 茨城県 | 建設業者 | 杭打機 | 14,540 (5,100) |
10,540 (3,100) |
1,550 | 一部を購入していないもの |
(75) | 千葉県 | 金属加工機械製造業者 | 正面旋盤ほか | 4,100 (1,960) |
4,100 (1,960) |
980 | 既往年度に設置しているもの |
(76) | 東京都 | 電気機械器具製造業者 | バルブ 加工専用機 | 5,100 (2,550) |
5,100 (2,550) |
1,275 | 別途に調達した長期資金ですでに設置しているもの |
(77) | 大阪府 | 運送業者 | 起重機 | 9,000 (4,050) |
9,000 (4,050) |
2,025 | 貸付けの対象とならない企業であり、かつ、購入していないもの |
(78) | 兵庫県 | 輸送用機械器具製造業者 | ドローイングプレスほか | 8,140 (3,820) |
1,980 (930) |
465 | 一部を既往年度に設置しているもの |
(79) | 奈良県 | 染色整理業者 | ドラム乾燥機 | 6,500 (2,930) |
6,500 (2,930) |
1,465 | 既往年度に設置しているもの |
(80) | 同 | 可塑物製品製造業者 | 真空成型機 | 3,000 (1,350) |
3,000 (1,350) |
675 | 設置していないもの |
(81) | 同 | 食料品製造業者 | 温湿度調整装置 | 3,340 (1,510) |
1,637 (658) |
329 | 低額で設置しているもの |
(82) | 岡山県 | 輸送用機械器具製造業者 | 船舶上架設備 | 6,000 (3,000) |
3,335 (1,667) |
833 | 同 |
計 | 59,720 (26,270) |
45,192 (19,196) |
9,598 |
検査の結果、本院の注意により、当局において処置を講じたものが次のとおりある。
通商産業省では、昭和46年3月、福岡県に対し、産炭地域小水系用水開発事業費補助金として石炭対策特別会計から197,730,000円を交付している。この補助金は、同県が43年度から47年度までの間に施行することにしている苅田地区産炭地域小水系用水道布設事業(計画事業費1,360,000,000円、これに対する国庫補助金相当額612,000,000円)の45年度施行分について交付されたものである。
しかして、上記の事業の対象になった苅田地区について工業用水の需給状況を調査したところ、この地区には、すでに同県が本件事業と別途の事業で工業用水道を布設していて、工場立地の進ちょく状況からみても、この地区における用水需要量が既設の工業用水道の給水量を上回るのは相当の期間を経過した後と見込まれる状況であった。したがって、上記の事業を計画どおり実施する要はないと認められたので、当局の見解をただしたところ、通商産業省では、福岡県に対し、46年度に施行予定の事業費384,000,000円(国庫補助金相当額172,800,000円)のうち184,070,000円(国庫補助金相当額82,832,000円)を47年度以降に繰り延べる処置を講じさせるとともに、事業の実施予定を順次延伸させることにした。